会長からのメッセージ
慶応義塾大学 理工学部
山田 秀
1. はじめに
この会長メッセージでは、学会事務効率化、日本クオリティ協議会(JAQ)設立と始動、東日本・西日本支部活動について、経緯、成果、今後を報告します。
2. 学会事務効率化
学会業務の多くは、事務局の的確、丁寧、献身的な対応により支えられていて、個人に依存しているとも言えます。各種の規制などに基づく提出物の厳格化、組織間連系の複雑化などに伴い、事務局業務は増大化し、今後もこの傾向が続くと予想されます。
業務効率化を進めないと学会事務局業務が破綻するという問題意識を、第45、46年度椿 広計 会長のもと庶務担当理事を務めたころから持っていました。庶務担当理事が全体の流れを把握していると思われることから、会長就任を機に、私を含め直近約10年の学からの会長時の庶務担当理事と、業務効率化について検討しました。メンバーは第48、49年度棟近 雅彦 会長時、そして現庶務担当理事である金子 雅明 先生(東海大学)、第51、52年度永田 靖 会長時の佐野 雅隆 先生(拓殖大学)と私です。その後、渡辺 喜道 先生(山梨大学)を委員長とするICT特別委員会が発足し、まず、ウェブベースの会員サービスを導入することにしました。これまでは、会費請求を郵送で行い、会員の皆様に銀行振込などでお支払いただいていました。今後はウェブでの請求、支払いとなります。このように、各種手続きをウェブ上で行うことになります。
2024年9月にアジア品質ネットワーク総会を慶應義塾大学矢上キャンパスで開催した際、参加申込、プログラム、要旨集提供など参加者とのコミュニケーションはほぼウェブを通して行いました。これは、開催事務の効率化だけでなく、プログラムや変更情報の即時提供など、新たな価値を提供できました。
今後は、行事についてもできるところから取り組む予定です。会員の皆様には、今までと異なる手続きになりご面倒をおかけしますが、学会の持続性のため、ひいては、新たなサービス提供のためにご協力をお願いいたします。
3. 日本クオリティ協議会設立と始動
第44年度大久保尚武会長による事業報告に、「All Japanの品質活動の統合を目指したアンブレラ組織「JAQ(Japan Association for Quality)」創設を起案しました」とあります。その後、2022年11月 に会員5団体トップによりJAQ規約などが制定され、2023年4月にJAQが設立されました。さらに、2024年8月に第1回、2025年7月に第2回JAQシンポジウムシンポジウムが開催されました。
現在は、基本的な枠組みが出来上がった段階です。今後はこの枠組みに基づき、緩やかな連携のもとJAQ活動を継続することが課題です。当面は、JAQ会長をJSQCから選出する予定です。これまでは、飯塚 裕保 氏、大久保 会長時の庶務担当理事の新木 純 氏(ともに積水化学)が、 JSQCとして代表幹事、事務局を担ってくださいました。今後はこれらの役割を、年1回のシンポジウムを企画運営する団体が務め、輪番とする方向で検討しています。
4. 東日本・西日本支部
椿 広計 会長による第46年度事業報告において、「学会の支部活動をコミュニケーションの場とともに産業界へのソリューション提供の場と位置付け、このための規定整備を行い、東日本支部(本部一部事業の移行)・西日本支部設立を決めました」とあります。現在、西日本支部では、第54年度の事業所見学会で株式会社麻生 飯塚病院を訪問するなど、様々な活動を運営するに至っています。これは、高橋勝彦西日本支部長をはじめとする関係者のご尽力の賜物です。一方、東日本支部は、本部事業をそのまま継続しています。第55年度には、10年経過したこの支部体制を、それまでの活動を生かしつつ、より充実し、効率的に進められるような方向を、支部活性化プロジェクトとして検討します。
一般社団法人 日本品質管理学会
山田 秀