会長就任にあたって

コマツ 取締役会長 坂根正弘

 この度会長(第41年度)に就任するにあたりご挨拶申し上げます。
 最初に3月11日の東日本大震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますと共に、被災された皆様、関係者の皆様に対して、心よりお見舞い申し上げます。復旧復興には産学官が総力であたっており、引き続き支援していきたいと思います。
 米国発の金融危機は各国の実体経済へ悪影響を及ぼし、EURO圏の債務危機に発展しました。成長市場はアジア・BRICSに移りました。世界は政治、経済、技術革新、教育の全分野において変革の流れの中にありますが、日本はこの流れに乗り遅れて、国際競争力も低下低迷しています。また地球温暖化の問題に対処が必要です。これらに対応するためには国家レベルの全員参加の経済成長戦略が重要であり、企業が国際競争力を高めていくことが求められています。企業は環境変化に迅速に対応できる体質を作り、自社の強みを磨き弱みを克服していくことが必須です。日本の経済成長は、日本のモノ作りの強みを生かして「安全・安心」と「信頼性」を基盤とした高付加価値の製品・サービスを、ICTを駆使してお客様の視点に立って創出していくことが大事です。つまり「製造業のサービス化」により国際競争力を強化することに掛っています。それは学会が中長期計画の方針でうたった4本柱Qの確保、Qの展開、Qの創造、共通領域の実践でもあります。モノとシステムそしてサービスを組み合わせ、品質保証していくことです。
 本学会の「品質立国―日本の再生」の取り組みは社会の繁栄への大きな貢献活動です。第三期は前期の中期計画の4本柱を継承し「安全・安心」と「信頼性」を基盤とした繁栄する社会の構築に向けて、産官学が取り組む課題や学会員のニーズにあったテーマを進めていきます。力強く推進されるように関係各位にお願いします。