会長挨拶

 2020年11月より、本学会の会長を務めることになりました。

50年度の1年間ですが、どうぞよろしくお願いいたします。


 新型コロナウイルスが世界に蔓延し終息が見えない中、あらゆる人々が不安を抱えて生活し苦しんでいます。しかし歴史はどんな疫病も、いつかは克服の時を迎えることを示しています。見通しのつかない間は心と体の自己免疫力を意識して高め、自らの判断で乗り切るしかないのだと思っています。

 経済活動に関しては疫病が無くても、様々な経営環境の変化が生じてきます。ポストコロナの先にどのような社会課題や経営課題に対処しなければならないか、企業は新たなリスクを想定して先手を打つと共に、絶えず変化に対応できる柔軟な経営体質をつくらなければなりません。

 そのためにリーダーは今を渦中ではなく、変革のチャンスと捉えて元気よく組織を牽引していく必要があります。今世間では緊急対応としてのテレワーク、在宅勤務や財務基盤の強化にマインドが行きがちですが、最も大切なことは、人と組織の活力を最大限に引き出すTQMの推進を通した人材育成ではないでしょうか。

 昨年11月28日に開催された年次総会の新会長講演では、学会創設50周年を迎えたことを踏まえ、長期にわたる産業構造の変化と学会活動の変遷を重ねたうえで、学会の抱える様々な課題と今後の取組みの方向性について述べさせて頂きました。

 その骨子は、中計検討WGにおいて議論した内容に準じています。学会として今後何をなすべきか、新たな50年に向けて、これからも世の中から必要とされる存在であり続けるために,まずは学会のミッション(存在意義)とビジョン(目指すゴール)をわかりやすく再定義しました。その上で具体的な実施事項を中計(3ヶ年計画)として立案しました。

 中計初年となる本年度は会員・賛助会員にとって魅力ある学会とすべく、会員の皆様の声をお聞きして、様々な情報提供と学びの場づくりを進めます。

 また、品質管理の正しい理解と普及の促進により、安心で豊かな社会の実現へ貢献してまいります。今後理事会を中心に議論を進め、実行できるアクションプランに落とし込む予定です。

 会員の皆様には中計(3ヶ年計画)に掲げた項目(WGによる活動)への積極的な参画をお願いします。

 「あらゆるQuality(質)向上に役立つ技術・手法を研究・開発し、その成果をすべての分野に普及させる」という学会のミッションを果たすことで、「我が国の生産性・国際競争力を再び世界トップに押し上げるとともに、その成果を以って国際社会の発展に貢献」することを、会員の皆様とともに目指していきたいと思っています。

一般社団法人 日本品質管理学会
会長 二橋 岩雄