第21回「安全・安心のための管理技術と社会環境」ワークショップ 社会の変化と人の育成
-学習機会の減少、過酷な状況への対応、自動化の進展がもたらすもの-
日 時 | 2020年11月14日(土)13:00~17:30 |
場 所 | Webex Eventによるオンライン開催 |
主 催 | 日本原子力学会 ヒューマン・マシン・システム研究部会 日本品質管理学会 日本人間工学会 安全人間工学委員会 |
後 援 | 日本電気協会、日本信頼性学会 |
参 加 費 | 無料(後日作成の報告書(PDF)が欲しい方は1冊1,000円で別途入手できます) |
定 員 | 300名 |
申込締切 | 11月7日(土)17:00 |
連 絡 先 | 日本品質管理学会 事務局 住所:〒166-0003 東京都杉並区高円寺南1-2-1 日本科学技術連盟内 TEL:03-5378-1506 FAX:03-5378-1507 E-mail:apply@jsqc.org |
開催趣旨
エネルギー、運輸、医療などの社会基盤分野において安全・安心を確保するためには、ハードの健全性だけでなく、ヒューマンファクターや組織のマネジメントなどのソフト面にも目を配ることが必要である。しかし、多くの研究が行われてきたにもかかわらず、ソフト面に起因する事故・トラブルが少なくない。本シンポジウムは、安全・安心のための管理技術と社会環境に関する研究の現状と課題、事業者と規制当局の関連する事項の実施状況と課題などを持ち寄り、関係者で認識を共有した上で、行うべき研究の課題や方向性、事業者や規制当局が実施すべき事項などを充実するための手がかりを得たいという思いで、ヒューマンファクター、品質マネジメント、社会技術の3つの学問分野の専門家が集まり、平成19年3月以来継続的に開催してきた。
21回目となる今回は、「社会の変化と人の育成」をテーマに取り上げる。エネルギー分野では、原子力発電所が再稼働できる状況になりつつあるが、各電力事業者は運転停止が長期化していることから、実際の運転経験が無い運転員が増えてきており、 どのように運転スキルを維持・育成するかが課題となっている。また、本格的にIoT時代を迎え、脅威の完全な除去は難しいという考え方に基づいたSafety-IIの安全方策が着目されており、過酷な状況に適切に対応するための訓練の在り方の工夫が求められている。さらに、車の運転も自動化が進展してきており、高度自動化時代におけるヒューマンファクターのあり方も議論になっている。
そこで、本ワークショップでは、異なった領域の実務家・専門家からの事例発表をいただいた上でパネルディスカッションを行い、社会が大きく変化する中、人の育成において何が難しさになっているのか、それらの難しさを克服する上でどのような取り組みが求められるのか、その実践に向けて社会としてどのような研究・検討を行っていく必要があるのかを明らかにしたい。
プログラム
13:00-13:10 | 開会挨拶・趣旨説明 木村 浩(木村学習コンサルタンツ) |
13:10-13:40 | 「現状の運転員訓練の状況と課題の考察」 五福 明夫(岡山大学) 各電力事業者は運転停止が長期化していることから、 実際の運転経験が無い運転員が増えてきており、 どのように運転スキルを維持・育成するかが課題となっている。 実際に経験する機会が少なくなる中で、スキルを維持・育成することが 困難になっている現状や難しさ、その克服のために行われている 原子力業界での様々な取り組みについての調査を報告していただく。 |
13:40-14:25 | 「過酷な状況に適切に対応するための訓練の在り方」 北村 正晴(東北大学) 本格的にIoT時代を迎え、脅威の完全な除去は難しいという考え方に基づいた Safety-IIの安全方策が着目されており、過酷な状況に適切に対応するための 訓練の在り方の工夫が求められている。 レジリエントな組織を目指す上で着目すべき育成すべき能力は何か、 その育成のための訓練や日常管理の工夫について話していただく。 |
14:25-15:10 | 「高度自動化時代におけるヒューマンファクター」 眞鍋 俊哉(日本航空) 車の自動運転に代表されるように、社会全体で自動化が進展してきており、 高度自動化時代におけるヒューマンファクターのあり方が議論になっている。 自動化が社会に与える影響は何か、自動化に伴う事故・インシデントを防ぐ上で、 社会としてどのような取り組みが求められるのかについて、 航空分野の現状を踏まえながら話していただく。 |
15:10-15:20 | 休憩 |
15:20-17:20 | パネルディスカッション「社会の変化と人の育成」 コーディネータ: 五福 明夫(岡山大学、日本原子力学会 ヒューマン・マシン・システム研究部会) パネラー: 北村 正晴(東北大学) 眞鍋 俊哉(日本航空) 伊藤 誠(筑波大学) 木村 浩(木村学習コンサルタンツ) 論点: ・社会が大きく変化する中、人の育成において何が難しくなっているのか ・難しさを克服する上でどのような取り組みが求められるのか ・その実践に向けて社会としてどのような研究・検討が必要か (安全・安心な社会の実現に向け、多くの人々の参画を促すためには、 マスメディアの役割と変化等) |
17:20-17:30 | 閉会挨拶 伊藤 誠(筑波大学、日本品質管理学会・ 安全・安心社会技術連携特別委員会) |
<参考>
平成19年3月8日 | 第1回 | 品質マネジメント、ヒューマンファクター、社会技術(総論) |
平成19年9月12日 | 第2回 | 不適合管理 |
平成20年3月10日 | 第3回 | 人間信頼性 |
平成20年9月26日 | 第4回 | 情報の共有・公開 |
平成21年3月10日 | 第5回 | 人材・技術マップ(総論) |
平成21年9月7日 | 第6回 | 失敗から学ぶ |
平成22年3月8日 | 第7回 | 教育・訓練 |
平成22年9月6日 | 第8回 | コミュニケーション |
平成23年3月8日 | 第9回 | 手順書・マニュアル |
平成23年9月14日 | 第10回 | ヒヤリ・ハットと危険予知 |
平成24年3月12日 | 第11回 | 安全の確保と信頼・理解の醸成(総論) |
平成24年10月13日 | 第12回 | エネルギー問題に関する国民的議論 |
平成25年3月16日 | 第13回 | レジリエントな組織はQMSで作れるのか |
平成25年10月12日 | 第14回 | 柳田邦男氏とともに「福島事故」を考える |
平成26年12月23日 | 第15回 | 社会の安全・安心を確保するための行政による規制と事業者による自律的 マネジメントのあり方 |
平成27年12月25日 | 第16回 | 事故調査の社会的役割と進め方 |
平成28年12月23日 | 第17回 | 信頼を得るための方法 |
平成29年12月24日 | 第18回 | 安全文化の醸成と全員参加の実現 |
平成30年12月22日 | 第19回 | 情報・知識の共有による安全・安心の確保 |
令和元年6月21日 | 第20回 | 安全に寄与する組織文化の核心とは |
過去のワークショップの報告書(講演・討論記録、PDF)を各1,000円で頒布しています。NV研究所(nv.lab.info@gmail.com)まで氏名・送付先(E-mailアドレス)を連絡して下さい。