2月開催のクオリティートークレポート

~品質管理の旬な話題や情報をお届けするクオリティートーク~

品質管理に関わるすべての人を対象に開催している「クオリティートーク」。話題の書籍の著者や、旬なスピーカー、魅力的な学会メンバーなどが情報発信して、参加者と本音で語り合う「場」です。
今回は、2月に開催した遠藤幸一先生の「統計解析アプリを使って少し楽に行う信頼性データ解析」をご紹介します。

スピーカー 遠藤幸一先生

遠藤先生は2021年まで、大手電機メーカーで半導体の業務をされていました。現在は、大学や研究機関でご活躍されています。

バスタブカーブ

トークの本題では、まず、遠藤先生が考える「信頼性」について説明がありました。製品ライフサイクルは、下の画像のような時系列をたどりますが、残念ながら各過程において「不良」や「故障」が発生します。

故障率は初期故障が多く、その後は偶発故障となって低下しますが、使い続けるうちに摩耗故障が多く発生してきます。バスタブカーブとして描かれ、信頼性というテーマで耳にすることが多いと思います。今回のトークではバスタブカーブを例にとり話が展開されました。

バスタブカーブは1本の曲線で描かれた関数ではなく、3つのワイブル分布が混合したものをプロットした結果、バスタブ型に見えているのです。

なお、上のスライドのバスタブカーブのグラフはwxMaximaというフリーの数式処理ソフトを使って書いています。数式がどのような形になるか調べたい時にwxMaximaを使うとキレイにグラフ化されるのでおススメです。

統計解析アプリをつかってみよう

トークの後半では、統計解析アプリ「JMP(ジャンプ)」を使ったシミュレーションの説明がありました。JMPはアメリカSAS社が開発したソフトで、グラフィカルに使うことができます。

従来はグループごとに手作業で解析が必要でしたが、JMPを使うと混合分布解析も内部的に機械学習の手法で分布ごとに当てはまりの良いところを探して推定結果を返してくれます。少し楽に解析ができるようになります。

トーク終了後、質疑応答のコーナーがありましたが、参加者から実践的な質問が多く、非常に盛り上がりました。

品質管理学会では様々なテーマでイベント・行事を開催しております。

募集中のイベント・行事は下記からご確認ください。

廣野元久氏のとの共著です。JMP(ジャンプ)という統計ソフトをつかった信頼性工学の本です。

信頼性工学の解析を扱った貴重な書籍です。
アプリを使った現場に近い内容で、「どのように解析したらよいのか?」と悩んだときに
手に取って頂ければと思います。

信頼性解析の解説と使用例がかなり収録されています。

JMPによる信頼性工学
製品の寿命予測とデータ解析

廣野 元久・遠藤 幸一 著
A5/222頁
定価 4,290円(税込)

Follow me!