トピックス 創立50周年記念シンポジウムの開催報告(速報)

50周年記念事業委員会WGリーダー 金子 雅明

 当学会創立50周年記念シンポジウムは、2021年5月28日(金)13:00~17:40に東京都新宿区にあります早稲田大学大隈記念講堂小講堂より完全オンラインで開催しました。事前の参加申込者数は152名で、当日アクセスされた総人数は138名(会場関係者含む)であり、時間帯別でも終始120~130前後のアクセス数を維持し、多くの方に最後まで視聴いただきました。

コロナ禍における参加者の安全確保の観点から、祝賀会は苦渋の決断でしたが中止となり、また対面開催から完全オンライン開催となりました。昨年より当学会ではJSQC規格講習会などの行事をオンライン開催で実施しはじめていましたが、周年事業としては本学会初の試みでした。私自身もこのような大規模行事の担当は経験がほぼなく、大変懸念していましたが、学会理事や事務局、及び関係者各位のご協力により、何とか無事に終えられました。ここに厚く、お礼申し上げます。
 記念シンポジウムは予定通り、13:00よりオンライン配信開始されました。まず、二橋会長より開催挨拶として、当学会が50周年を迎えられたことに対する学会関係者への感謝の言葉をお示しになられ、学会が今後果たすべき役割を共有する機会としたい旨、ご発言がありました。永田副会長からは、学会がこれまで歩んだ50年の軌跡のご説明があり、未来への突破口を見出すための顧客価値創造活動と基本的な従来型品質管理活動の徹底の2本柱が重要だとした上で、新たな気持ちで学会員の皆様とより一層アクティブに活動を進めたいと述べられました。再び、二橋会長より当学会が目指すべき姿として次期中期計画の概要とその具体的な取り組みのご紹介がなされ、これらの学会活動を通じてTQMの方法論の追求と社会への推進し、その結果として日本産業の国際競争力向上につなげることが当学会の使命であると明言されました。
 その後、前田建設工業株式会社・常任顧問・小原好一氏からは当学会が着目すべき「エクセレントサービス」の概念や重要性と、それらの実現のためにはIoT、AIなどのデジタル技術を駆使することの有用性、可能性をご提言いただきました。内閣府知的財産戦略推進事務局・参事官・小林英司氏からは、内閣府が目指す価値デザイン社会・Society5.0の取り組みの背景と目的、その実現ツールである経営デザインシートの利用方法やその有効性をご紹介いただきました。当学会が目指す品質経営、TQMとその方向性は共通であり、今後も内閣府との連携強化が期待される内容でした。最後の講演者は東京理科大学・名誉教授・狩野紀昭氏です。Kanoモデルとも称される「魅力的品質と当り前品質」とそれに基づく魅力的品質創造の方法論や、維持・問題解決・課題達成を包括する統括的品質改善手順、さらには新型コロナウイルスへの社会品質のあるべき構造を考察され、品質管理が激動の時代を生き抜くための有用な方法であることを改めてご提示いただきました。
 その後、永田副会長がファシリテーターを務め、他の講演者をパネリストとしたパネル討論「これからの品質経営と本学会が果たすべき役割とは?」を行いました。オンライン参加者から6つほどの質問が寄せられましたので、永田副会長から質問内容の紹介がなされ、パネリストからご回答されました。また、パネリストではありませんでしたが、当日会場関係者として来場されておりました前会長・棟近雅彦氏が急遽ご登壇されてオンライン参加者からのご質問に回答されるなど、活発な議論が行われました。
 その後、経済産業省・産業技術環境局国際標準課・課長・黒田浩司氏、及び公益社団法人日本経営工学会・第36期会長・大野高裕氏のお二人からは、これまでの学会活動に対する感謝とともに今後の当学会活動への期待、激励など大変ありがたい祝辞をいただきました。
 最後の閉会の辞では、当学会副会長である若林宏之氏から本シンポジウムの総括がなされ、当学会のミッション、ビジョンを改めて認識した上で、3つのQ、すなわちQの確保、Qの展開、Qの創造を推進し、激動する変化の時代に生き抜くための方法論の確立を通じて、学会のプレゼンスを高めていきたいとのお言葉で締めくくられました。
 記念シンポジウムにご参加いただいた学会員・関係団体の皆様、そして開催の企画や準備やその支援をしていただいた関係者各位に対して、改めて深くお礼申し上げます。

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