私の提言 「謙虚な心と感謝の気持ち」を大切に
日本規格協会ソリューションズ(株)奥 展威
私が新入社員だった頃の話になります。当時は品質管理に関する研修業務を担当しており、参加者の皆様によりよいコンテンツを提供するために、品質管理の知識習得に努めながら、また講師の方々のご助言をいただきながら日々の活動をしていました。
ある日、品質管理の基本的な考え方とQC七つ道具を学習していただく入門コースを開催し、数十名程のご参加をいただきました。講師は、とある企業にて現役で活躍されている品質保証部長の方でした。参加者は特に20~30代の方が多く、研修終了後にも質問が絶えない中、参加者のお一人が講師に「品質管理を担当する際、何に気を付ければ良いでしょうか」と質問をされました。
この質問に対し、講師は「謙虚な心と感謝の気持ちです」と回答されました。また、組織全員が同じ方向を向いて品質改善に取り組むために、そしてその活動に積極的に取り組むことができる環境を整えるために、推進担当者には必要な心構えであると説明されました。
講師は、全社的な品質改善への取組みについて大切なことをお伝えされたのだと思います。また、若い方が多かったこともあり、組織活動だけではなく、社会生活での大切さも教えていただいたと思います。
ご質問をされた方は、恐らくQC手法の使い方を含めた技術的な回答を期待されていた様に思いますが、この回答を聞かれて非常に納得した表情をされていました。日本人として共感できる考え方だったのだと思います。
その言葉は、私の心にも深く響くものでした。その時から私は「謙虚な心と感謝の気持ち」を常に心掛けるようにしています。全社的に取組む業務においては、特にこの言葉を思い出すように意識しています。
これまで、企業及び大学の講師の方々からは、品質管理の知識をご教示いただきましたが、チーム・組織の活性化等の多方面のご助言をいただけたことも大きな財産となっています。
ただ、実践するのは非常に難しいことも多く、特に忙しい時ほど言葉を思い出しながら反省する事も多々ありますが、この言葉をいつまでも大切にし、後輩たちに繋げたいと思います。
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