私の提言 そろそろ将来の準備を考えませんか?
電気通信大学 山本 渉
現在の学習指導要領の下では、QC7つ道具のうち、散布図を除く手法には、小学校で触れ始めるようになっています。層別にも、小学校から慣れ始め、中学校で2群の比較ができるようになります。これらの内容は、統計検定では4級、QC検定でも 4級の出題範囲に含まれます。
高校生では、正規母集団の区間推定や仮説検定まで触れます。選択科目ですが、期待値の考え方にも触れます。これはQC検定でも統計検定でも3級の範囲に入ります。
新しい学習指導要領の下では、教科情報の中の問題解決の取り組みに、QC7つ道具や新QC7つ道具を活用する取り組みもあります。高校生がQC検定の3級の内容に触れる可能性も増えることが期待されます。
もちろん各学年なり、各学校なりの教育方法の中で関わるでしょうし、すぐに品質管理の実践に結びつく訳ではないかもしれません。それでも大学における確率論や統計学の講義や、社会における品質管理教育の受講者の中の、入門レベルの知識は持ち合わせる者の割合が、上がっていくことも十分に期待できます。何しろ全教科において、深い学び、対話的な学び、主体的な学びを通じて、思考力、判断力、実践力を磨いて育ってくる世代です。
令和2年度に高校に入学する生徒は、令和4年度末に記述統計や推測統計、またデータ分析を含む数学と情報の大学入試センター試験を受験する。そして早ければ令和5年度から7年度に大学で、統計学や品質管理に関する科目を履修し、令和9年度には大学を卒業し新入社員となります。
まずは教育制度の変更に、興味を持っていただくことをお勧めします。これだけ分かりやすく、どう変わるかが、その意図や内容も含めて、品質管理に近いことは、これまでなかったように思います。そしてこの世代の人材にどのような品質管理教育、また統計教育を行うべきか、そしてそろそろ、企画段階の検討も始めても良い頃な気がしてきています。
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