JSQC規格「新製品・新サービス開発管理の指針」 講習会ルポ
-顧客・社会のニーズをもとに新たな価値を創造する-

 2022年12月14日(水)、JSQC規格「新製品・新サービ ス開発管理の指針」の講習会がオンラインで行われ、35名の方が参加されました。
 今回は、JSQC規格「新製品・新サービス開発管理の指針」原案作成委員会委員長である永原 賢造 氏が、経験による実例を交え、現場に直結した内容で話されました。
 顧客価値の複雑化・複合化、及び生産環境の変化が大きい中で、顧客の満足を得るためには、企画から回収・再利用までの開発プロセスにおいて、自工程完結を目指すプロセス保証と、情報と知識の共有化を目指す部門間連携などにより、体系的な開発管理を行う事が重要であると説明されました。
 新製品・新サービス開発管理におけるマネジメント活動の進め方については、各プロセスの達成度を明確にするなど、開発プロセスの見える化を計ることが重要である。また、ボトルネック技術の特定とブレークスルー、設計における標準化、及び失敗や成功の事例に基づく開発プロセスの見直しなどを行う事が重要であると言う事でした。
 参考実例として、日系企業の国際競争力低下は、企業の内向きの体質、市場のスピードについていけないためであり、節目管理による迅速な意思決定、及び機会と驚異への素早い対応などが必要であると言う話がありました。
 新製品・新サービス開発管理のためのツールについては、品質機能展開、実験計画法などの使い方と注意点を説明されました。
 最後に、永原 賢造 氏の体験に基づく事例として「設計・工程設計プロセスの改善を指向した実施例」が紹介されました。その内容は、市場流出不具合の70%以上が、源流部門(設計・工程設計)によるもので、この部門のプロセス改善が必要だと言うことでした。
 今回の講義は、JSQC規格「新製品・新サービ ス開発管理の指針」の説明を実例と共にされたので、新製品・新サービスの開発管理をどのように適用するか明確になり、有意義な講習会でした。

岡田  俊((株)LDD)

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