第132回クオリティトークルポ
問題解決実践の組織的展開 推進の悩みと解決策

 日本品質管理学会主催のクオリティトークが2月9日(木)にオンラインにて開催された。本学会のフェローおよび監事である熊井 秀俊 氏を講師に迎え、参加者は約35名程度であった。問題解決するにあたり様々な要因が挙げられるが、仕事が忙しく全く手つかずの状態になっているのが現状である。その為、どのように遂行していけば問題が解決するのか改めて考える必要があり、今回の講義に参加した。
 結論として「目的」の理解不足が最大の原因であり、方法から入るのではなく、目的から入ることを徹底することがキーであることを学んだ。また実施策として、なかなかトップは参加せず丸投げすることが多いが、トップに対しても「方法」の前にまず「目的」の徹底をする、「人材育成」も大きな狙いである、かなり密に「コミュニケーション」をとるといったことが重要であることを述べていた。まず、問題解決では「現状」と「ありたい姿」のギャップの問題を解消することが問題解決につながる。また人材育成については、忙しいからといって人を育てず結果ばかり求め、プロセスを軽視すると人材は育っていかない、組織力が弱い、働いていてもつまらないといった負の連鎖が起き、忙しさは解消されない。コミュニケーションについては、井戸端会議のような密なコミュニケーションをとり、自分の言葉で心理的距離を詰め、寄り添って信頼関係を築くことにより難しい「目的」について伝えられるようになる。
 また分からない事柄が出てきたら、重箱の隅をつつきヒモといて聞くことで言葉の定義を明確化し、定義が曖昧なままシステム化してトラブルを発生させないことが重要であることが述べられた。
 この講義を通して、小集団活動の問題解決の難しさを改めて感じた。現段階では全くと言っていい程出来ていないため、本講義の内容を今後の問題解決の手法に取り入れ、大いに活かしていきたい。

新井 啓太(コージンバイオ(株))

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