事業所見学会レポート スウェーデンハウス 2005年1月開催
~三現主義を体感する、学会唯一の現場開催行事、事業所見学会~

三現主義を実体験する「事業所見学会」。
今回は、3月に開催した「スウェーデンハウス株式会社 駒沢モデルハウス-事業所見学会- 」をご紹介します。
当日はスウェーデンハウス株式会社 駒沢モデルハウスに現地集合しました。

オリコン お客様満足度 総合第1位 10年連続受賞



モデルハウス内見学 スウェーデンハウス 大川取締役

モデルルーム内の見学では大川取締役に解説いただきました
モデルルームは全体で約70坪あり1階41坪、2階30坪、10坪は吹き抜けになっています。
熱は上昇するため、一般住宅で吹き抜けを採用すると快適性能が下がってしまいます。
そのためシーリングファンで空気を循環させることが多いです。
しかしスェーデンハウスではシーリングファンをつけていません。
一般に外からの冷気・熱気は壁よりもガラスやサッシの部分から室内に入ってきます。
スェーデンハウスのサッシの部分は特徴があり木製になっています。
また、ガラスも4MM厚のものが3枚入っているため、冬の1月の寒い時期でも窓のそばでも寒くありません。
また、床暖房を入れていませんが、床下に約30センチほどの断熱材が敷き詰められているため床が冷たくありません。
壁や天井裏にも断熱材が入っています。
気密性が非常に高い構造です。高気密・高断熱は当然ですが、隙間をいかに少なくするかを大事にしています。
スキマをなくすと息苦しいのではと感じる人もいらっしゃると思います。
そこでスェーデンハウスでは、24時間型の換気を標準装備しています。
気密性がしっかりした状態で一か所で換気します。
フィルターを通すことで花粉対策もばっちりでき、ホコリや音も各部屋に入りにくくなります。
2時間ごとに空気が入れ替わります。
木材にもこだわっています。
スウェーデンで60年以上育った木材を現地で加工して日本に輸入しています。
スウェーデンは森林大国であり、計画植林しています。また、寒冷地であるため、年輪が詰まっていて丈夫です。
太陽にもつよく地震にも強い特性があります。

メンテナンス5年に一回程度、塗料を塗るなどをすればよいです。メンテナンスをしっかり行えばより長く使えます。
木材は育った年数と耐用年数が比例すると言われています。
スウェーデンハウスの木材は固く・厚い。ツーバイフォーの1.6倍太いです
スウェーデンで切り出して、加工して持ってきています。
当然、そうした木材は高価です。
日本の家のサイクルは30~40年と言われますがスェーデンハウスの家はその2倍は軽く持つと言われています。
なおかつ気密性・断熱性に優れているため、冬場も少しのエネルギーで暖かく、夏場も涼しくすごせるため経済的です。
木材は火災や硬度で心配という声がありますが、実は火災や地震に強い素材です。
玄関から2階に行くまで温度差をあまり感じません。これが実はお客様満足度につながっています。
温度差が無い家は「カラダのバリアフリー」と言われ、赤ちゃんからお年寄りまでとても快適です。
住空間がしっかりできているとお客様が笑顔になります。
隙間をなくすことや窓や壁を非常にこだわって作っています。
窓はパネルにすることが重要で品質に関わります。
住宅現場で製作するのではなく、全部スウェーデンの工場でパネルとして作っています。
パネルの中に窓を組み込んで日本に持ってきます。
現場で、基本は骨組みを作ってから窓を入れます。ツーバイフォーはパネルを立ててから窓を入れます。
窓の隙間のところに施工で断熱材をいれたり、空気が入らないような仕掛けを作ります。

隙間という話をしましたが、パネルを立ち上げるところも全部、外から風が入らないようにシートを入れます。
シートに関しても王立研究所で品質担保されているものを使っています。
一般に家は一階の床は寒いことが多いのですが、床暖房をつければもちろん暖かいが、断熱材をしっかりつけることで
下からの冷気をシャットアウトしてくれます。床暖房をつければもちろん暖かいのですが、エネルギーが必要になります。
しかし、断熱材をしっかり入れて、空気が入ってくる隙間をなくせばしっかり暖かい状態を保てます。
スウェーデン式の窓は150年前から使われています。
厚みがあり、気密性・断熱性に優れています。
結露ができると壁に沁み込んで傷みますがスウェーデンハウスの家は結露に縁が無く、木が乾燥しているため、住宅の寿命を長持ちさせる要因になっています。
住宅展示場は10~15年で解体しますが、解体の際、壁の含水率を調べたら、建築時点よりも低かったこともありました。
壁の外側に通気層も設けており外気が循環していることも含水率が低い状態を維持する仕掛けになっています。
講演 大川取締役

見学会の後半は、大川取締役に「品質管理活動および顧客満足に向けた取り組み」について講演いただきました。
スウェーデンハウスの6つのポイント
1.スウェーデンの良質な木材
2.木製サッシ3層ガラス窓
3.耐震性能
4.気密機能・断熱性能
5.ハイスペック・ワングレード
6.長期アフターサービス
1.スウェーデンの良質な木材
スウェーデンに1991年に工場を建設しており、木に詳しいクラフトマンを確保しやすく
素材から製品まで管理を徹底できる体制を整備しています。また、2002年に工場敷地内に窓工場が完成し
木製サッシ3層ガラス窓を自社生産しています。現地工場で生産することで施工に左右されない安定した品質を保てます。
現地の工場だから日本の品質要求に的確に対応できます。

2.木製サッシ3層ガラス窓
スウェーデンハウスがずっとこだわり続けている窓です。
回転する窓で、部屋の中から窓の外側を拭くことができる便利さと、換気量を調整しやすい機能性があります。
断熱性能に優れるだけでなく、火災にも強い窓です。
木は表面が燃えると炭化した部分が熱を遮断し木の内部まで火が届きません。スウェーデンハウスの木は時間をかけて育ち年輪が詰まって
いるため、アルミサッシと比べてもより燃えにくく、景観を損ねず高い防火性能を実現しています。
3.耐震性能
スウェーデンハウスは独自のものボックス構造を採用しており、衝撃が全体に分散するため
地震に強い特徴があります。
4.気密機能・断熱性能
モデルルーム見学でも体験いただいたように、気密・断熱性能にこだわっており
冬でも暖かいです。

5.ハイスペック・ワングレード
スウェーデンハウスは建物そのものの性能は一緒で、窓や壁の断熱材は標準で同一にしています。
間取りやキッチン等の設備構成で価格が変わっていきます。
窓の基本構造もワングレードであるため、破損した際も交換が可能です。
スウェーデンハウスの家は長く使っていただく特徴があるため、末永く交換できることが大きな利点になっています。

6.長期アフターサービス
日本の家の平均寿命が25~30年と言われている中で、業界に先駆けて50年間無料定期健診システムを行っています。。
顧客満足の取組み
・オーナー様を大切にしており、お客様の声を大事にしています。
オーナー様の集いを開催し、お客様の声のフィードバックもしております。
質疑応答
Q1.スウェーデンハウスの「人」について教えてください。
A1.大きく分けて2つあります。
1つは営業マンが優しい人たちが多く、待ちの営業をメインにしています。2つ目は営業が嘘をついたり誇大広告を
しなくてよいことです。商品の品質が高いためそのままおすすめ出来ます。社員もスウェーデンハウスの家を建てるほど
自社の商品のファンが多いです。自分が好きなものを売ることができるためメンタル的にもプラスに働いています。
Q2.施工を担当者の育成が難しいと思います。是非その苦労話を聞かせてください。
A2.これも2つあります。1つは「スウェーデンハウス協力会」です。施工部隊は地場の工務店が多いです。業務提携を結んで
おり建て方もしっかりレクチャーします。協力会と安全や品質についてのミーティングをやり続けています。失敗事例の
横展開も徹底しています。パートナーの研修をしっかり行うことで、施工管理の社員の腕次第ではなく、仕組みとしてキ
チンと施工できるようにしています。もう1つは社員教育です。北海道の研修施設(スウェーデンヒルズ)で、建設1棟目の
建物を使って実際にメンテナンスを体験します。何より、オーナーさんが喜んでくれるのでうれしく感じることができるこ
ことも大きいようです。
Q3.住宅を初めて建てるお客様も多いと思いますが、営業がお客様のご要望やイメージの聞き方でポイントは何でしょうか?
A3.まず、ゾーニングといって大まかに玄関や部屋の位置をお客様の現在の生活と比較しながら考えていきます。
今のリビングよりも広くするとしたらどのくらい広くするとよいですか?など、「比較」しながらお聞きするとイメージが
沸きやすいように思います。住宅の間取りサンプルを大量にお渡ししても選びにくいようです。お客様も比較しながら新し
い家をイメージすることは楽しいようです。生活だけではなく、ご趣味などもお聞きしながらイメージしていきます。家は
くつろぐ空間ですので、「どんなことがお好きなんですか?」とかお聞きしながらお客様と一緒に考えていきます。ある程
度までいけばCGでもイメージできるようになります。会社としても建て主の年齢別や坪数別の建築事例を持っていますの
でそうした情報も活用できます。
最後になりますが、スウェーデンハウスの皆様。すばらしい見学会をありがとうございました!
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