JSQC規格 「プロセス保証の指針」講習会ルポ
-品質はプロセスで作りこむ-
標記の講習会が42名の参加を得て、オンラインで開催されました。冒頭、講師の福丸氏より、「品質はプロセスで作り込む」とはよく言われるものの、プロセス保証についての理解が不十分なまま品質保証に取り組んだ結果として、効果を十分に上げていない組織が少なくない状況があるため、それに応えるための指針であり、顧客・社会のニーズに合った製品・サービスを提供するプロセスを確立するための指針であることが示されました。
標準化と工程異常への対応、工程能力の調査・改善、トラブル予測・未然防止、検査・確認といったプロセス保証の構成要素に沿って、基本的な考え方や具体的な取り組みの進め方、進める上での注意点、取り組みの中で活用できるツールや手法が紹介されました。総務部門を含めて組織内で広く活用できる効果的なツールとして、「プロセスFMEA」が紹介されました。
質疑応答の中では、「プロセス保証の指針(2015年作成)」の改訂予定についての質問が出されましたが、現在、「日常管理の指針」について、DX等の新しい状況を踏まえた内容の見直し、変化点管理に関する記述の強化などの検討が始まっているため、日常管理とも関係が深い「プロセス保証の指針」の改訂は、その作業が終了した後になると思われること、そして、その際にはサービス業を想定した内容の充実も検討事項になるのではないかとのことでした。
非常に盛りだくさんの内容で刺激に富んだ講習会でしたので、終了後の参加者アンケートでも満足度の高さがうかがえました。私自身も「品質はプロセスで作り込む」という言葉の本当の意味について、理解を深めることができたように思います。また、「プロセスの計画・設計においてもデザイン・レビーが重要である」との講師からのメッセージは、現在の自分の仕事との関係でも深く受け止めさせていただきました。
(内堀 伸健 ISO審査員)
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