第153回講演会ルポ
「信頼」される学校給食づくり~業界No.1の東洋食品が取り組む品質管理~
2025年10月2日に開催された講演会「『信頼』される学校給食づくり~業界No.1の東洋食品が取り組む品質管理~」に参加したので、概要を報告する。
講演者は、株式会社東洋食品 専務取締役・工学博士の荻久保 瑞穂 氏である。東洋食品は、学校給食の専門企業(従業員数約17,000名、売上高460億円)であり、1966年の創業以来58年間、食中毒ゼロを継続している業界のリーダーである。
講演内容は、(1)自己紹介・会社案内、(2)学校給食の仕組み、(3)東洋食品の品質管理の取り組み、(4)人材育成、(5)学校給食業界の課題と今後の展望、であった。講演後、終了時間を30分程度延長し、活発な質疑応答がなされた。
学校給食は、戦後、欠食児童対策としてスタートしたが、現在は「食育」という教育の一環として意義づけられており、また、集団食中毒の発生(1996年)があったことから「学校給食衛生管理基準」が制定され(1997年)、厳格な衛生管理が要求されている。
また、同社は創業以来、食品安全についてはトップ以下一丸となって管理しており、食材検収から調理、配送に至るまで、工程管理を視覚化して管理するなど、厚労省のHACCP制度化にも対応し、さらに食品安全マネジメント規格であるISO22000の認証も取得し、安全及び品質の管理に努めている。
なお、同社のメイン顧客は小中学校の生徒であり、顧客満足を高めるために定期的にアンケートを行いニーズの把握に努め、また、決められた費用のなかで美味しさを最大限引き出す調理方法を工夫し、さらに継続的な残食量調査結果から献立・調理方法の改善を図っている。
「品質は『人』が作るもの」という同社の理念を達成するためには、人材育成が鍵であり、各種研修制度の充実とキャリアアップの見える化、パートの正社員登用・女性管理職の登用を進めるなどの待遇改善を実施している。
同社は、地域貢献・海外進出にも目を向けており、また、学校給食を通じて持続可能な社会の実現を目指していることを述べ、講演を締めくくった。
亀山 嘉和(元・食品安全マネジメント協会)
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