第130回クオリティトークルポ
カイゼンと問題解決の本質と実践
2022年9月13日(火)に第130回クオリティトークがリモートで開催されました。
「直近の仕事が忙しく、カイゼンがうまくできない」最近、こうした現場の声を耳にすることが多い。
トヨタ自動車で品質管理・TQM(Total Quality Management)に長年携わった古谷健夫氏からヒントや解決案をお聞きしたのでいくつか紹介したい。
まず、現場が日常管理としてSDCA(S:標準化・D:遵守・C:異常把握・A:是正措置)を徹底することが基本となる。特に重要なのが「S:標準化」で現場が「いつもの状態」を理解していることが重要だという。製造業に限らず、医療・NPO・行政組織等でも共通だと指摘する。現場が「いつもの状態」と違うと感じた時は「ありのまま」を報告し「A:是正措置」をする。現場だけで解決困難な場合は問題解決「PDCA」を回していく。問題解決は小集団改善活動、チーム改善活動になる。
SDCAのSがあやふやで「いつもの状態」がわからないと異変に気付かない。「いつもの状態」を表すことは「おもてひょうじゅんか(表準化)」という。今やっている状態をそのまま表して共有するという概念だ。
そしてコミュニケーション。コミュニケーションが取れる組織でないと問題が顕在化しない。管理職が現場に出て声がけをするとよい。「調子どうだ」とかその程度でよい。異変が起きた時に報告しやすい雰囲気になるはずだ。こうした環境や組織文化を醸成することも重要だと指摘する。
専門の世界は正解があるが、管理の世界に正解は無い。見える化は共有すること、プロセスフロー図やグラフを活用する。因果関係の追求では特性要因図を活用する。この3点を若手に伝えたいと古谷氏。
A3一枚の資料作成を通じて、無駄がなく説得力のあるストーリーを考えることで頭の中を整理する訓練ができたという古谷氏の体験談も印象深かった。
茨木 陽介(ITコーディータ)
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