トピックス ANQ Congress Yokohama 2024へのお誘い

JSQC国際交流担当理事 松浦 峻

 2024年9月16~20日に慶應義塾大学 矢上キャンパスにて、Asian Network for Quality(アジア品質ネットワーク、ANQ)による国際会議、ANQ Congress Yokohama 2024が開催されます。Asian Network for Qualityは、アジアを中心とした諸国・地域における「品質」に関連した学術団体の組織の集まりで、前身のAsian Quality Symposiumを発展させて、2002年に10組織によって発足し、現在は、今年正式に加入したBangladesh Society for Total Quality Management(バングラディッシュ)を含めた20のMember Organizations、3つの Affiliated Member Organizations、1つのPartner Organizationを合わせて24の組織によって構成されています。2003年に第1回のANQ Congressが開催されて以来、今回で22回目のANQ Congressとなります。
 昨年のANQ Congress 2023はベトナムで開催され、全体で200名近い参加があり、特に日本品質管理学会(JSQC)からは約50もの参加者および研究発表がありました。今年は、標記の通り、ANQ Congress 2024が慶應義塾大学 矢上キャンパスで開催されることになっており、現在ANQのChairpersonを務める山田 秀 教授(慶應義塾大学)を中心として、開催への準備を進めております。
 慶應義塾大学 矢上キャンパスは、東急線や市営地下鉄の通る日吉駅(横浜市)が最寄りであり、そこから少々(10~15分程度)歩きますが、慶應義塾大学の理工学部3、4年生および理工学研究科の大学院生、計3500名を超える学生が所属する大きなキャンパスですので、大規模な国際会議の開催地として十分なキャパシティを持っています。
 日本での開催は、ANQ Congress Tokyo 2009が早稲田大学で開催されて以来、15年ぶりとなります。研究発表を行う予定の方はもちろん、日本で開催されるこの機会に多くの方にぜひ足をお運びいただけましたら幸いです。
 参加申し込み(Registration)は、ANQ Congress Yokohama 2024のウェブサイト:
 https://pub.confit.atlas.jp/en/event/anq2024 より案内いたします。本稿執筆時点では、まだ参加申し込みの受付は始まっておらず、5月中旬頃の開始を予定しています。参加費が安く設定されるEarly Birdは7月15日までになりますので、お早めに申し込みいただければと思います。今回はConfitというウェブシステムと契約して、ウェブサイトの整備を進めています。  
 海外からの投稿者は原則このウェブサイトから研究発表の申し込みをしていただくことになります。一方、JSQCからの研究発表の申し込みは昨年までのANQ Congressと同様に、Editorial Manager(https://www2.cloud.editorialmanager.com/tqs/default2.aspx)を通じて行っていただいています(Registrationおよび参加費の支払い等はJSQCの方も海外の方もいずれも上記のConfitのウェブサイトを通じて行います)。最終的には、両者を一元化して、全ての発表論文(フルペーパー)からなるプロシーディングを作成することになりますが、そのような作業も容易に可能なシステムになっているとのことです。
 毎年、JSQCの方からANQ Congressに投稿されたアブストラクトおよびフルペーパーについて、複数名の審査員による評価が行われ、特に高評価を得たものはBest Paper Awardsに選出されて、ANQ Congress当日に表彰されます。対象となるのは、発表論文のうちの約10%という狭き門ですが、特に意欲のある学生の方などにはぜひ受賞を目指して、質の高いフルペーパーの作成に取り組んでいただければと思います。実際、例年、数人の学生が受賞対象に選ばれています。今回だけでなく、来年度以降のANQ Congressでも積極的な研究発表を期待しています。
 上記のウェブサイトでも掲載されておりますが、本国際会議のテーマ(Congress Theme)は「Prosperity through Quality – Returning to Origins, Leaping into the Future -」と決まりました。このテーマは、早稲田大学で開催されたANQ Congress Tokyo 2009のテーマである「Prosperity through Quality – The ANQ Way -」を踏まえたもので、品質を通じた繁栄を目指すという原点に回帰しつつも未来に向かってさらに羽ばたいていくという決意が込められたものと考えています。今回のANQ Congress Yokohama 2024が、今後の国際社会における品質の発展の契機の一つとなることを願っています。
 また、ANQ Congressに関連したこととして、JSQCが発行する英文での学術雑誌のTotal Quality Scienceについても少し紹介したいと思います。Total Quality Scienceは2015年に始まった論文誌で、ANQ CongressでJSQCから研究発表がなされたフルペーパーで上位の評価を得たものを対象に投稿へのお誘いを送り、匿名の査読者による査読を経て、査読付き論文として掲載されるものです。品質に関連した研究に取り組む学生の方にとっても、貴重な機会になっているものと思います。
 今後のJSQCの発展には、国際的な観点での活躍が不可欠なものと考えます。会員の皆様には、ぜひANQ Congress Yokohama 2024への積極的な参加をご検討いただけましたら大変嬉しく存じます。

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