私の提言 他分野からみた品質管理
関西大学 村上 啓介
著者は現在大学で研究を行っていますが、専門分野は品質管理ではありません。数年前まで品質管理には関わってすらいませんでした。それがどういう訳か縁あって「私の提言」の執筆依頼がきました。品質管理の専門家ではないので、何を書いていいのか分かりませんが、他分野から見た品質管理について少し述べたいと思います。著者の勝手な思い込みも含まれていると思いますが、その点はご容赦ください。
まず、最初に感じたのは企業とのつながりが強いということです。学会員に企業所属の方が多いことに驚きました。これは品質管理という分野が日本の企業の成長に大きな役割を果たしているからだと思います。著者は、大学の研究者の目的と企業の目的は違うと思っていましたが、品質管理は大学と企業が同じような目的を共有できる分野だと感じました。
次に、品質管理における統計学の奥の深さです。著者は主に統計的品質管理に携わっているのですが、当初はそれほど難しいものではないと思っていました。ところが、実際勉強してみるとかなり奥が深く難しいと感じました。今まで特に理論的な内容を理解せずに使っていた手法も、理論の部分をしっかり理解しようとすると多くの知識が必要であることに気付きました。また近年、大学教育においても人工知能やデータサイエンス分野の重要性が言われています。統計学はそれらの分野の基礎となるものなので、今後ますます統計学の重要性が増していくと考えています。
品質管理に携わることで、多くの企業の方と関りをもったり、自身の専門ではない統計学を学んだりすることで研究者としての視野も広がったと思っています。今後は自身の研究分野のみならず品質管理の分野にも貢献できたら考えています。
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