私の提言 学校に行こう! ~企業の小中学校との関係づくり~

(株)デンソー 中村 浩一

 北海道網走市に在るグループ会社出向時代(2015年前後)を思い出し、最近学校に行っていない自分へのリマインドとして提言します。当時、私は網走市で自動運転技術の実車評価環境整備を進めておりましたが、グループ会社の取締役として初めて総務を担当し、地域貢献活動を当事者として真剣に考える機会を得ました。
 網走市では人口減少対策が喫緊の課題となっており、企業や大学誘致などいろいろと努力をされていました。私としては人口が減少する中で、今いる子供たちは益々貴重な人材となることは間違いないので、子供にフォーカスした企画が何かできないか考えるようになり、子供たちへの企業PRを検討する中で、小中学校への教育無償支援にたどり着きました。
 実はその時に、オープンスクール授業参観、公開研究会などは、誰もが参加でき、思ったより学校は開かれていて、地域との連携強化を模索していることを初めて知りました。特に中学校は職場体験学習の受入先の新規開拓にご苦労されていました。そこで、学校のニーズを確認しながら、「金属加工教室」、「車の故障診断」、「林業機械体験」など、様々な企画をTQMの精神で実行しました。子供の反応はわかりやすく、アンケートで、「めっちゃ楽しかった」、「また来ていいですか?」、「感動しました」のようなストレートなコメントをいただき、私だけでなく関わった社員全員が大変やりがいを感じ、自己の成長にも繋がりました。
 現在、私は愛知県に戻って品質管理に従事しております。コロナ禍もありますが、CSR活動は総務部の仕事として、いつの間にか学校に行かなくなりました。子供たちを勤労意欲のある人材に育てるという観点から、QC手法やQCサークルで問題解決した時の嬉しさとか失敗事例を通じた標準化の大切さとか、子供たちに伝えるべきことはたくさんあります。答えは現場にあるとよく言いますが、東京も人口減少に転じた今、日本で最も重要視すべき現場は小中学校ではないかと考えます。企業は高等学校、大学とは採用あるいは研究連携面で接点があるものの、小中学校への関与は少なすぎるように感じます。学校公開のやり方は地域によって様々なようですが、コロナ禍を脱すれば学校へ行きやすくなると思います。私は地元の小中学校に行って何か貢献できないか答えに繋がるヒントを探索してきます。

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