私の提言 「良い仕事、良い就職、良い企業とは」

神戸学院大学 今野 勤

 デジタル大辞泉で、仕事について次のような解説がある。
 (1)何かを作り出す、または、成し遂げるための行動
 (2)生計を立てる手段として従事する事柄、職業、 ・・・・・・ とある。
すなわち、何かを作り出し、あるコトを成し遂げ、それで生計を立てるコトと解釈できる。また仕事には目的があり、諸説あるが要約すると次の4つと考えられる。
 (1)生きていくためのお金を得る
 (2)自分自身が成長する
 (3)社会の役に立つ
 (4)没頭して人生を楽しむ
 これらは相互に関係があり、どれが欠けても仕事の目的が成立しない。生きていくお金がなければ、生活が困難であり、自分が成長しなければお金は増えない。お金は社会からいただくものであり、仕事を通じて社会に役立った結果である。これらのことを長い時間続けるには、仕事に没頭して人生を楽しまなければなられない。仕事を選択するには、大概の学生は組織に属するが、組織の当たり外れによって人生は大きく左右される。
 そこで、就職について、世界大百科事典 第2版によると“就職とは、職業に就くことであり、新しい職場を得ることであるが、 ・・・・・・ 職業選択の結果であり、 ・・・・・・ 新しい生活様式へ移行することを意味する。・・・・・・”とある。良い職業を選択するには、良い就職先を選択し、組織とともに個人が成長していく必要がある。では良い組織とは何か、大半の学生が就職する組織すなわち民間企業に置き換えて考える。
 経営の神様、ピーター・ドラッガーは、企業の目的は「顧客の創造である」といった。良い企業は、良い顧客に恵まれ、市場を形成し、収益を得ることと解釈できる。さらに社会に貢献し、良い評価を得ることもできる。良い人生を送ることを期待する学生にとって、良い企業の選択が大切である。
 企業を評価するには、企業活動が大事だが、結果から判断するとわかりやすい。その一つの方法が有価証券報告書の財務諸表である。就活生に聞いてみると、業界動向や財務諸表を調べず、企業の知名度や会社説明会の内容で応募を決めている。財務諸表は企業の一つの通信簿と考え、分析することが大切である。自分の将来を輝かすためにも、良い企業を選択していただきたい。

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