私の提言「QFDがコトつくりコレクションに選出されました!!」

山梨大学 渡辺 喜道

 横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)では、コトつくりの重要性の訴求及びその振興活動の一環として「コトつくりの見える化」と「社会への働きかけ」を目的に、優れた事例の顕彰と分析を行う「コトつくり至宝発掘事業」を2018年度より実施しています。当学会は2020年5月に開催された第459回理事会において、品質機能展開(QFD)をこの事業に推薦することを決めました。2020年6月に推薦書を提出し、10月に開催された第11回横幹連合コンファレンスで発表し、コトつくりコレクションとしてふさわしいかどうかの審議を受けました。その結果、コトつくりコレクションに内定しました(正式な発表は2021年4月です)。審査基準は、先導力、規範力、意味力、解決力の4つの基準を中心とした「社会にもたらした価値」があるかどうかでした。この基準で選出されたQFDは改めて素晴らしい技術と感じました。なお、当学会が推薦し、2018年に選出されたコレクションであるQCサークル活動(小集団改善活動)に続き、2つ目の登録となります。

 ご存知の通り、QFDは顧客の要求を確実に満たせるような製品やサービスの品質を企画、設計段階から作り込むことができ、確実な品質保証体制を構築でき、類似製品の早期立ち上げにも貢献できる画期的な技術です。このような素晴らしい技術がコトつくりコレクションに選ばれたことを大変うれしく思います。

 近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)が注目されています。Society 5.0の到来を前に、多くの組織で、DXが推進されています。DXにより、組織はビジネス環境の激しい変化に対応でき、データやデジタル技術を利活用して、顧客や社会のニーズに基づいて、製品やサービス、ビジネスモデルを変革でき、さらに業務そのものや、組織、プロセス、組織文化・風土を変革することが可能となります。QFDはDXを支える技術として有効活用できると信じています。QFDの更なる普及拡大のためにも、デジタル技術と融合したQFDの利活用が重要と考えます。

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