JSQC規格「プロセス保証の指針」講習会ルポ
-品質はプロセスで作りこむ-
2022年6月9日(木)午後、JSQC規格「プロセス保証の指針」講習会がオンラインで開催された。参加者数 は43名、自宅からの参加者が半数を占めるなどオンライン講習もすっかり我々の業務や生活に馴染んだようである。そういう私も、自宅(名古屋)でゆったりした気分で講習会に臨んだ。最初に講師の福丸氏から「結果が悪いことはプロセスが悪いこと」「プロセス保証をしないでISO9001をやろうとするから失敗する」とあり、プロセス保証を学ぶ目的が明確になった。
続いて、「標準化がプロセス保証には欠かせない」「重要要因を洗い出して標準化を進める上ではその取り決めと活用が重要となる」「特に活用という観点でみると標準が改定されているかという視点が必要だ」など、プロセス保証を実務で進めていく上でのエッセンスを分かりやすい言葉で伝えてくれた。
また、プロセス保証を効果的に進めていくツールの一つとして、工程能力調査及び工程能力指数の紹介があり、その信頼区間や品質特性が正規分布に従わない場合の対応策を数式で例示し、実務者にもよく分かるような説明があった。
講義後の質疑応答では、活発な意見交換がなされた。「プロセス保証の推進は、どういった組織のどのクラスの方が責任を持って主導していけば良いか?」「標準はどのレベルまで作らなければならないのか?」「中小企業やサービス業にとって、プロセス保証する事はハードルが高いと感じている」など実務者が普段思っている素朴な疑問に対して福丸氏が一つひとつ丁寧に応えているのが印象的であった。最後に熊井事業・広報委員会委員長の閉会挨拶では「自分たちが当たり前のようにやってきたことを、プロセス保証の指針などを活用することで今の仕事を総点検できる」とあり、私は「なるほど、そういう使い方もできるな」と感じた次第です。
花﨑 雅彦(住友理工(株))
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