JSQC規格 「品質管理教育の指針」講習会ルポ
-TQMの実践に必要な人材を育てる-
2022年4月25日(月)午後に、JSQC規格「品質管理教育の指針」の講習会が開催されました。2017年の当規格制定以降、今回が4回目で、前回に引き続きリモートでの開催でした。どこからでも参加できるというリモート開催のメリットもあってか、全国各地から35名の参加がありました。講師は、早稲田大学教授でJSQCの会長でもある永田靖氏でした。永田先生は、本規格の原案作成委員並びに審議委員でもあります。
組織がTQMを適切に実施、推進するためには、組織の一人ひとりが基本的な原則を理解し、方針・日常管理、小集団活動、品質保証などの具体的な活動に取り組むことが必要であり、それらを適切に行う能力を持った人材の育成が必要です。そのための品質管理教育を計画・実施・評価・改善する場合の指針を定めている本規格について、補助資料を使用して、講習会はすすめられました。
補助資料は、とてもわかりやすくまとめられており、丁寧な説明と相まって、規格の内容がスッと頭に入ってくる感覚を参加者は味わえたのではないでしょうか。また、永田先生のご経験がエピソードとして盛り込まれたり、諸先生方の言葉が紹介されたりと、興味の尽きない講義内容となっていました。さらに、規格4章の「品質管理教育の基本」から、9章の「TQM推進段階別・部門別・地域別の品質管理教育」まで、章あるいは節ごとに確認テストが用意されており、参加者が考える時間も取られていたおかげで、一人ひとりが、規格の重要なポイントを、その場でしっかりと復習できたものと思われます。
講義の最後には30分強の質疑応答の時間も取られ、8名の参加者からの質問やコメントをベースにした議論により、講義の内容が補強され、参加者全員にとって有益なコミュニケーションとなりました。
あらゆる企業・組織で、問題解決をベースとした品質管理教育を実践していくことの必要性を理解できた充実した講習会でした。
内海 洋(日本ムーグ(株))
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