JSQC規格 講習会ルポ「方針管理の指針」講習会
-方針管理によって改善・革新を促進する-

 2022年2月14日(月)午後に、JSQC規格「方針管理の指針」講習会がオンラインで開催されました。参加者は30名でした。講師の村川賢司先生(村川技術士事務所)は、2016年に発行された本規格の原案作成委員長並びに審議委員です。
 本規格はJIS規格の「方針管理」の原案になっています。
 解説は、規格書に沿って、特に「6章 部門における方針管理の進め方」をメインに進められました。
 さまざまな階層で方針を策定している組織はめずらしくありません。それらの方針が事業目的の達成にむけて運用されているのかどうか、自組織の現状をチェックにするために本規格は大変有用であることがわかりました。
 方針の三つの構成要素「重点課題、目標、方策」が、方針管理の三つの流れ「展開、集約、環境変化への対応」で上位下位と双方向でつながっているか、特に下位から上位への流れをおろそかにしていないか、という点が記憶に残りました。
 TQMの中核活動であるプロセス・システムの維持向上・改善・革新において、日常管理は「維持向上」を、方針管理は「改善・革新」を担い、実務では「約八割が維持向上の日常管理」であり、顧客ニーズや経営環境の変化に対応するために方針管理で改善・革新して目標を達成する、いう両輪であることが理解できました。これを聞き、日常管理の講習会へも参加することを決めました。
 質疑応答で、自社の現状に課題意識を持つ会員から、実務における方針管理の先進的な成功事例と形骸化の回避策について質問がありました。現状を確認し課題を特定する、品質月間テキストやデミング賞受賞企業の書籍を参考にする、デミング賞受賞企業を訪問ヒアリングする、などの助言がありました。
 管理会計を研究している会員からは予算管理と方針管理の連携について、また方針展開後の責任の所在について質問がありました。
 TQMにおける方針管理の運用と、実務での課題解決に資する規格の有用性を理解できた講習会でした。

佐々木 聡美(プラクティカ・ソリューションズ)


 

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jimukyoku01
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