JSQC規格 講習会ルポ 「新製品・新サービス開発管理の指針」講習会
-顧客・社会のニーズをもとに新たな価値を創造する-
2021年5月18日(火)、JSQC規格「新製品・新サービス開発管理の指針」の講習会が行われました。オンライン講習の利点で参加者は全国各地から、また多様な業界から計32名が集まりました。終息が見えないコロナ禍や、低下しつつあると言われる日本の国際競争力などの環境の変化もあり、参加者の多くには、業界を問わず、この先の開発や創発、顧客価値創造やイノベーションはどうあるべきかという共通の危機感が前提としてあったのではないかと思います。
新製品開発には、潜在ニーズの把握、ボトルネック技術のブレークスルー、DRや初期流動管理など、品質管理・保証における広範な知識や実践が必要となります。この規格は、そのための有用な手法をパッケージとしてまとめ、わかりやすく解説することを主眼に、学会として作成されたものです。
中條先生による講義では、企画からアフターサービスの広範囲にわたる各プロセスで活用される様々な考え方やツールについて、限られた時間の中でも、そのエッセンスを何とか詳しく伝えたいという熱意が感じられました。質問の機会も多く、最後には30分以上にわたる質問や参加者の議論が進められました。
コロナ禍で想定しない使用環境に晒される、リモートで行われるDRの物足りなさや三現主義が実現できないもどかしさといった今時の悩みも討論されました。
参加者の顔ぶれは幅広く、製造業の開発や品質保証担当のみならず、医療、一品モノ、スタートアップ、あるいは現場工事のプロセス開発はどうあるべきか、など、開発として想定する活用範囲を多様な参加者が押し広げ、この規格をさらに価値あるものにしているように感じられました。
企業や業態によってその成り立ちや個性、強みなどは異なりますが、この規格は従来型の大量生産のみならず、様々な業種やプロセスで開発ロードマップとして活用できる、非常に有意義なものと言えるでしょう。この規格を活用した各企業の次代の価値創造が望まれるところです。
小川 文子((株)MUJIN)
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