第145回講演会(関西)ルポ
after CORONA時代のビジネスモデル
2022年8月19日、関西支部主催の第145回講演会が開催され、オンラインで21名が参加しました。
講演(1)では、DXTコンサルティングの兼安暁様より『新しいビジネスモデルとDX』と題し、「DXとは、デジタル化を活用してビジネスモデルを変えること。デジタル化が目的ではない。」など、改めて「DX」や「デジタル化」「IT化」「メタバース」などの言葉の意味や本質、ビジネスモデルの基本の考え方、そして今なぜ「DX」が叫ばれているのか、その有効性について、スマートフォンや健康管理、自転車事故など身近な事例でわかりやすく解説いただきました。工場においても、デジタルヒューマンによる仮想空間上のシミュレーションで事前に最適な作業手順や動作を見い出し実現していくなどの紹介もあり、大変参考になりました。
講演(2)では、株式会社東芝の福本勲様より『DXとカーボンニュートラルへの取り組み』と題し、欧米企業と日本企業の意識や取り組み方の違いを具体事例やデータで示していただきました。今や、カーボンニュートラルへの取り組みは、投資家の評価軸であり取引に大きく影響。国視点から企業視点に変わったことを知り、私たちはその流れに取り残されないようにしなければならないことを強く実感しました。そして、カーボンニュートラルへの取り組みは「コストがかかる」という考え方を改め、これをチャンスと捉え、CO2排出量の見える化や再生エネルギーの調達等について、自社単独ではなくサプライチェーン全体で課題の共有化をすることが重要。デジタルを活用して、それをどう実現できるか、新たなビジネスモデルを検討し、まず自社で実践。そのノウハウを蓄積し他社や取引先等へ広く展開、相互にノウハウを提供し合うことで新たなビジネスにもつながることも学びました。
今回のテーマ「after CORONA時代の新しいビジネスモデル」は、組織の壁を越えた企業変革の推進(協調・協業)のもと、モノが使われるシーン全体を俯瞰し、いかにシステム思考やデザイン思考ができるかがポイント。そして、デジタル化を武器に顧客に提供できる価値を変えることで、ビジネスモデルは変えられる。私たちが前進するうえでの希望と指針を得られた大変有意義な講演会でした。
名倉 三加代(グローリー(株))
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