第432回事業所見学会(西日本)ルポ
トヨタ自動車九州 宮田工場

 令和4年7月28日(金)に、西日本支部主催の事業所見学会がオンライン形式で開催された。髙橋西日本支部長のご挨拶に続き、トヨタ自動車九州(以下「TMK」と表記)の高倉様よりオンライン開催行事らしくスタジオ紹介があり、続いて工場見学が開始された。
 操業開始は1992年で、現在はレクサス5車種を製造する宮田工場、ハイブリッド部品を作る小倉工場、エンジン製造を担う苅田工場の三つの工場があり、2016年にテクニカルセンターが竣工によりLICの一員として設計・開発から生産までの一貫体制が整ったとの説明があった。そしてコイル状の鋼板からクルマが完成するまでのクルマづくりの解説へと移った。ここで感じられるのがTMKのクルマづくりの拘りだ。革新技術と人間の五感からなる匠の技を融合した世界最高水準のレクサス品質に驚きを感じた。最後に環境へ取り組みが紹介され、太陽光発電により水素を生成し、燃料電池フォークリフトを稼働している取り組みなどが紹介された。工場見学に続いてモビリティの価値創造や、東京オリパラで使われたe-Paletteの移動手段としてだけではなく「空間の提供」といった事例紹介もあり、大変興味深く未来を感じる内容であった。
 休憩を挟んで、日経品質管理文献賞受賞の記念講演へ移った。今回の見学会に合わせコンパクトに纏められておりましたが、その内容は非常に濃い講演でした。三代の社長により襷を繋いでのTQMに取り組んでのデミング賞とデミング大賞への挑戦は、高品位なクルマづくりの証とすることに加え、人財育成が目的と掲げられていました。TQMのマスタープランの説明や独自のTQM活動の解説、全員にTQMとビジョンとの関係を理解せる取り組みや小集団活動、寺子屋(QC検定受検支援)などの多くの事例紹介をいただいた。 
 末筆ながら、コロナ禍にもかかわらず、本見学会・講演会開催のご高配を賜りましたトヨタ自動車九州の皆様、貴重な経験談を交えたご講演をいただきました米岡様と中村様に、改めて深く感謝申し上げます。

平澤 朗(トッパン・フォームズ(株))

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