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JSQC規格「プロセス保証とリスクマネジメントを統合し、より効果的な取り組みにするための指針」について

原案作成委員会委員長 中條 武志

 プロセス保証とリスクマネジメントの統合に関する推奨事項をまとめたJSQC-Std 52-001が発行されました。

規格開発のねらい

 近年、事故・トラブル・不正の未然防止が重要な社会課題となっています。これに伴って、リスク情報の収集、リスクの特定・分析・評価、リスク対策・対応の計画と実施など、リスクマネジメントに取り組む組織が増えています。
 他方、品質管理の分野では、プロセス重視の考え方の下、標準化、工程能力の調査・改善、トラブル予測・未然防止、検査・確認、異常の検出・処置など、プロセス保証の具体的な活動や手法が開発・実践されてきました。
 しかし、事故・トラブル・不正の事例を見ると、両方の取組みがばらばらに行われ、各々がその役割を十分果たしていない状況がうかがえます。リスクマネジメントでは、整備した仕組みが人の不適切な行動によって計画通り機能していない場合が見受けられますし、プロセス保証では、活動に必要となる関係者の協力を引き出せず、部分的な取り組みで終わっている場合が少なくありません。
 本規格は、プロセス保証とリスクマネジメントを統合し、相互に補完し合うより効果的な取り組みにするための推奨事項を定めたものです。ISO 9001などに基づいてマネジメントシステムを構築・運用しようとしている組織が、規格で求められるリスク及び機会への取り組みを具体化し、運用の有効性を高めるためにも活用できます。

開発から発行までの経緯

 2023年、JSQC-TR 12-001「テクニカルレポート品質不正防止」の中で、RCA(根本原因分析)と共にリスクマネジメントが重要なポイントとして取り上げられたことを受け、標準委員会において検討が開始されました。
 2024年に入り、標準委員会委員3人がJSQC規格「プロセス保証の指針」やJIS Q 2001「リスクマネジメントシステム構築のための指針」を参考に案を作成、これをもとに品質保証・リスクマネジメントの専門家10人からなる原案作成委員会が開催され(2025年5月~9月)、原案が完成しました。
 その後、様々な分野の実務家を加えた審議委員会を開催(2025年12月~2026年3月)、パブリックコメント募集や集まったコメントに対する対応の議論を経て、最終案がまとまりました。
 2026年5月8日、理事会でこの最終案が承認され、発行に至りました。

規格の内容

 本規格の構成は、1章「適用範囲」、2章「引用規格」、3章「用語と定義」、4章「プロセス保証とリスクマネジメントの統合において基本となる考え方」、5章「プロセス保証とリスクマネジメントを統合したマネジメントの進め方」、6章「プロセス保証とリスマネジメントを統合したマネジメントの組織的な推進」となっています。
 4章では、1)顧客・社会から求められていること、2)リスクを考慮する難しさ、3)リスクマネジメントとプロセス保証の役割、4)トラブル予測・未然防止の考え方、5)組織の外部からもたらされるリスクと組織内のプロセスから生じるリスク、6)起因事象に対する対策と緊急事態に対する対応など、基本となる事項について解説しています。
 その上で5章では、統合マネジメントに関する方針の策定、計画の策定、実施、見直し・改善の4ステップに分け、リスク情報の収集、リスク特定・分析・評価、リスク対策・対応の計画、実施状況に関する事実・データの収集、有効性の評価などをどう進めるのがよいのかについて、具体的な方法や手法を示しながら詳しく解説しています。
 最後の6章では、経営層の役割、推進組織、人材育成、リスクコミュニケーションなど、5章の取組みを支援する上でのポイントをまとめています。
 本規格が広く活用され、製品・サービスの質の向上、好ましい組織文化の醸成、TQM(総合的品質管理)の進化・発展に役立つことを期待しています。

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jimukyoku01
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