第151回クオリティトーク
品質管理視点のデータサイエンス・AI
 -なぜ今、品質管理でデータサイエンスなのか?-

 2026年5月13日、技建開発株式会社 教育センター長の和田 尚之 氏をゲストに第151回クオリティトークがオンラインで開催され、生成AIとデータサイエンスの活用をテーマに講演が行われた。
 本講演では、CPUとGPUの違いから始まり、AIの基礎概念や機械学習の位置づけについて説明が行われた。AIの本質は複雑な処理ではなく、パターン認識による分類と予測であることが強調された。品質管理においては、経験に基づく主観が重要である一方、基準を持ち客観的に判断する力が不可欠であることが示された。多次元で現象を捉えることで、表面に現れない要因を把握できる点は非常に示唆に富む内容であった。生成AIの活用方法としては、複数のAIを組み合わせることや、簡潔な指示によって分析やプログラム作成を進める手法が紹介された。Pythonと組み合わせることで、短期間の試行でも実用的な分析が可能となる点が印象的であった。
 質疑応答では、機械学習手法の選択に関する考え方が特に印象に残った。手法は多数存在し最適な選択は容易ではないが、目的を明確にした上で生成AIに候補を導かせる方が、結果として精度の高い分析につながる可能性が示された。生成AIの出力結果をそのまま受け入れるのではなく、自ら判断できる力を持つことの重要性も改めて認識した。分析結果は一度で完結するものではなく、結果を積み重ねて検証し、根拠として証明していく必要がある。こうした取り組みには、データや分析結果の可視化が重要であり、現象理解を深めるとともに、関係者への説明力向上にもつながると考えられる。生成AIは有能な支援ツールであるが、主体はあくまで人である。AIを活用しながら自ら考え判断する姿勢が求められる。
 本講演を通じ、生成AIとデータサイエンスは品質管理の在り方を大きく変革しつつあり、重要なのは技術そのものではなく問題設定と活用力であると再認識した。今後は人とAIの役割を適切に組み合わせ、実務価値へつなげていくことが重要であると感じた。

池田 克之(ローム(株))

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jimukyoku01
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