第443回事業所見学会 ルポ
三菱重工業株式会社 名古屋航空宇宙システム製作所
令和6年6月25日(火)に三菱重工業大江工場と大江西工場にて「ボーイング777胴体パネル部品工場/787主翼組立工場における航空機製造の品質管理」をテーマに開催、17名が参加した。国産初のジェット旅客機スペースジェットを独自開発できる技術力を持って、航空機の主要構造である主翼、胴体の部品をボーイング社より受託生産をされており、今回は胴体パネルの部品製造工程および主翼の組立・艤装ラインを見学させていただきました。
初めに民間機セグメント品質保証部次長の真田様より会社・工場のご説明をしていただきました。今回見学させていただく胴体の製造は主に機械加工と板金加工で、主翼は複合材を多く使用している。ただし、手のひらサイズから数十メートルの大物まであり、しかも構成部品点数が多く、いずれも高精度が要求されており、このため多品種少量生産を労働集約型で製造しているとのことです。その結果、サンプル数が少なく、通常の統計的品質管理が難しくたいへんご苦労されていると感じました。続いて民間機セグメント品質保証部の主席技師桒野様よりDXを活用した品質管理の取り組み事例をご紹介いただきました。たいへん参考になった取組みは、守りのDXです。全生産工程をデジタルで繋ぎ、リアルタイムに部品の状態を把握して、全生産プロセスでこれを活かせるように活動を推進していることです。
次に改善と連動した監査活動です。現場の強み・弱みを電子カルテとして見える化した上で監査を行い、その結果の問題点を、かかりつけ医が現場と一緒になって治す活動をされていることです。
この後、非常に大きな構造物でものづくりをしている航空機製造ラインをみさせていただきました。ご説明の通り、人の技能と機械・設備・DXとを融合した現場は、たいへん興味深く、現地・現物で学べる良い機会となりました。
最後に本見学会開催やご対応いただいた三菱重工業株式会社の皆様に心から感謝申し上げます。
澤田 昌志((株)アイシン)
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