第437回事業所見学会ルポ
パナソニックライティングデバイス
2023年9月22日(金)にパナソニックライティングデバイス(株)にて、”あかり文化の新しい時代へ照明事業で培ったコア技術を応用展開して、新しいデバイスを生み出す”をテーマに新価値創造の取組み事例の事業所見学会が開催され、26名が参加した。パナソニックライティングデバイス(株)は、「役に立つあかり」を提供することが使命であると松下幸之助創業者の強い想いを持って、1936年ナショナル電球を発売して以来、85年以上の歴史ある会社です。照明事業で培った「コア技術」を競争優位の源泉として、光波長応用商品、タングステン応用商品など、独自の新価値を見出し提供する企業に進化されています。
今回の事業所見学会は、パナソニックライティングデバイス(株)の会社説明及び現在推進されている新価値創造に対する取組み、QCサークル活動の事例紹介(パナソニックグループQCサークル世界大会グランプリ受賞)、ショウルーム及び工場内見学など、興味深い内容が盛り沢山でありました。
ショウルームでは、長年培ったコア技術である光源技術、回路設計技術、光学設計技術を融合・発展させることで生み出した新しいデバイスを「見て」、「触れて」、「体感する」ことができました。苺栽培農家を悩ます「うどんこ病」などの植物病害発生を抑える紫外線(UV-B)電球形蛍光灯の紹介や、肉眼では確認出来ない呼吸器などの健康影響が懸念される微小粒子状物質をホコリセンサー(PM2.5センサー)を利用したIAQ(室内空気質)の見える化の紹介、光の飛行距離を使って被写体との距離を撮影するTOFカメラ、ランプのフィラメントやコイルなどの製造によって培った加工技術で、金属線タングステン極細線や、超高強度タングステン線の応用商品で、照明分野以外の耐切創手袋「ストロングンテ」の紹介をされていました。この「ストロングンテ」は、一般的なステンレスの約2倍の強度を持つ「タングステン」という金属を髪の毛の約4分の1の細さに加工して編み込むことで耐切創性としなやかさの両立を実現されているそうです。
工場内見学では、全てのブースで5Sが徹底されていて、作業要領や注意事項等は写真付きで具体的に分かりやすく掲示されていました。特に階段の手すりには「手すりを握りましょう」の表示に心が安らぎました。また謎(?)の「からくり部」では、その名の通り、からくり機構を利用した電源等を利用しない、エコで環境・作業者そして、お財布にやさしい(笑)、作業改善装置を自作されているのには非常に驚きました。
最後に、業務ご多忙の折にもかかわらず、ショウルームの皆さま及び各工場の皆さまには丁寧なご説明と、充実したショウルーム・工場を見学させていただきましたこと、厚くお礼申し上げます。
岡山 晃章((株)中北製作所)
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