第429回事業所見学会ルポ
航空自衛隊 饗庭野分屯基地

 2023年4月25日(金)に滋賀県の航空自衛隊饗庭野分屯基地で「航空自衛隊饗庭野分屯基地の改善活動の取組み」をテーマに開催され、29名が参加した。饗庭野分屯基地には中部高射群第12高射隊が所在し、敵航空機や弾道ミサイル等の空の脅威を地上から迎撃する地対空誘導システム「ペトリオット」を運用している。
 航空自衛隊では、昭和50年代後半に第2航空団の整備部門においてQCサークル活動が導入され、以後全国の部隊に普及した。饗庭野分屯基地のQCサークル「ホットマン+」は第13回事務・販売・サービス(含む医療・福祉)部門全日本選抜QCサークル大会(小集団改善活動)に近畿支部代表として出場し、金賞を受賞している。
 今回の事業所見学会では、航空自衛隊の概要や饗庭野分屯基地での隊務運営状況の説明、QCサークル活動の事例紹介を受け、そしてペトリオットミサイルシステムの発射機を見学した。
 QCサークル活動では、民間企業とはまた異なり、資金面や改善内容等にも制約のある中で、工夫を行いながら活発に活動し、成果を出していることが発表により参加者に深く伝わった。「隊員が困っている事を改善する」ということに焦点を当て、「やりがい」と「内務班生活」についてそれぞれ対策を実施し、退職者を減らすことに成功しているのには大変感心した。航空自衛隊という大きな組織の中で、ボトムアップであるからこそ可能な、きめ細やかで、実効性のある対策となったのではないかと思う。参加者からは、QCサークル活動について「職場の人から『ありがとう』といってもらえることが最高の成果である」「標準化して永続的に使用しているのが素晴らしい」といった多数の好評価の声があがり、質問も多く交わされ、大変有意義な見学会であった。
 最後に、緊張高まる国際情勢の中、日々の厳しい訓練や業務等、ご多忙の折にもかかわらず、饗庭野分屯基地の皆さまには丁寧なご説明をいただきましたこと、厚くお礼申し上げます。

新田 真理奈(東洋合成工業(株))

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