第24回「安全・安心のための管理技術と社会環境」ワークショップ

-未然防止活動による計画の質の向上とパフォーマンスの保証-

日  時2024年12月23日(月)13:00~17:30
場  所Cisco Webex Webinarsによるオンライン開催
主  催日本品質管理学会
日本原子力学会 ヒューマン・マシン・システム研究部会(依頼中)
日本人間工学会 普及委員会
後  援日本電気協会(依頼中)、日本信頼性学会
参 加 費無料(後日作成の報告書(PDF)が欲しい方は1冊1,000円で別途入手できます)
定  員100名
申込締切12月16日(月)17:00まで
連 絡 先(一社)日本品質管理学会 事務局
〒166-0003 東京都杉並区高円寺南1-2-1 日本科学技術連盟内
E-mail:jimukyoku@jsqc.org

【開催趣旨】

 エネルギー、運輸、医療などの社会基盤分野において安全・安心を確保するためには、ハードの健全性だけでなく、ヒューマンファクターや組織のマネジメントなどのソフト面にも目を配ることが必要である。しかし、多くの研究が行われてきたにもかかわらず、ソフト面に起因する事故・トラブルが少なくない。本シンポジウムは、安全・安心のための管理技術と社会環境に関する研究の現状と課題、事業者と規制当局の関連する事項の実施状況と課題などを持ち寄り、関係者で認識を共有した上で、行うべき研究の課題や方向性、事業者や規制当局が実施すべき事項などを充実するための手がかりを得たいという思いで、ヒューマンファクター、品質マネジメント、社会技術の3つの学問分野の専門家が集まり、2007年3月以来継続的に開催してきた。
 24回目となる今回は、「未然防止活動による計画の質の向上とパフォーマンスの保証」をテーマに取り上げる。様々なトラブル・事故を見るとうっかり忘れる・間違える、意図的にルールを守らない、知識・スキル不足の行動などの人の不適切な行動が関わっているものが多い。このような人の行動はあらゆる業務で起こる可能性があり、発生するとパフォーマンス(品質、安全、生産性などの測定可能な結果)が保証できなくなる。このため、計画段階でそのリスクを洗い出し、リスクの大きなものについてはその発生や影響を未然に防ぐ対策を組み込んでおくこと、言い換えれば未然防止活動によって“計画の質”を高めることが大切である(ここで言う計画とは、パフォーマンスの目標を達成するためのプロセス・方法に関する計画であり、仕事の段取り、教育・訓練のやり方なども含む)。ところが、人の不適切な行動はあらゆる業務で起こる可能性があるため、どのように取り組んだらよいのか悩んでいる組織が少なくない。結果として不十分な未然防止活動しか行えておらず、重大な品質トラブル、事故などが発生する度ごとに、未然防止活動の強化が叫ばれるという状況が続いている。
 そこで、本ワークショップでは、異なった領域の実務家・専門家からの講演をいただいた上でパネルディスカッションを行い、パフォーマンスを保証するために計画の質を高めるにはどのような活動が必要になるのか、計画の質を高める活動(未然防止活動)に取り組む際の難しさは何か、難しさを克服するためにはどのようなアプローチが有効なのか、そのような組織の実践を社会として支援していくためにはどのような支援・研究を行っていく必要があるのかを明らかにしたい。

【プログラム】

総合司会 中條 武志(中央大学)

13:00-13:10 開会挨拶・趣旨説明
木村 浩(木村学習コンサルタンツ)
13:10-13:30 「問題提起:計画の質を高めパフォーマンスを保証するには」
中條武志(中央大学)
様々なトラブル・事故の原因と人の不適切な行動の関係、人の不適切な行動を防ぎパフォーマンスを保証するためにはどのような取り組みが必要になるのか、そのような取り組みにおける難しさは何かなど、問題提起をしていただく。
13:30-14:00 「スーパーマーケットにおける全員参加の未然防止活動」(仮題)
丸山将範(アクシアル リテイリング株式会社)
スーパーマーケットにおいては、様々な人のうっかりミスによって顧客満足、安全などが損なわれるケースが少なくない。このような問題に対して全員参加の未然防止活動を実践してこられた内容について話していただく。
14:00-14:40 「医療における事故・インシデントを防ぐ活動の現状と課題」(仮題)
金内幸子(公益財団法人東京都医療保健協会 練馬総合病院)
知識・スキル不足の行動、人的エラーによって事故・インシデントが多く発生する中、FMEAによる取り組みが推奨されているがその実施は必ずしも容易でない。未然防止のために工夫されている内容について話していただく。
14:40-15:10 「未然防止活動を組織に浸透・定着させるためのキーポイント」(仮題)
中村 聡(公益財団法人北九州産業学術推進機構)
高い品質の保証が求められる製造現場において、TQM(総合的品質管理)の一環として未然防止活動の推進に携わってこられた経験を踏まえて、未然防止活動を組織に浸透・定着させるためのポイントについて話していただく。
15:10-15:20 休憩
15:20-17:20 パネルディスカッション「未然防止活動による計画の質の向上とパフォーマンスの保証」
  コーディネータ:中條武志(中央大学)
  パネラー   :丸山将範(アクシアル リテイリング株式会社)
          金内幸子(練馬総合病院)
          中村 聡(北九州産業学術推進機構)
            三浦茂紀(中部電力株式会社)
          飯塚悦功(東京大学)
          木村 浩(木村学習コンサルタンツ)
          首藤由紀(社会安全研究所)

論点
・パフォーマンスの保証と人の不適切な行動の関係、計画の質を高め人の不適切な行動を防ぐためには何を行う必要があるのか
・未然防止活動の難しさは何か、どう克服するのがよいのか
・組織の実践を社会としてどのように支援していけばよいのか
17:20-17:30 閉会挨拶
伊藤 誠(筑波大学、日本品質管理学会・ 安全・安心社会技術連携特別委員会)

<参考>

2007年3月8日第1回品質マネジメント、ヒューマンファクター、社会技術(総論)
2007年9月12日第2回不適合管理
2008年3月10日第3回人間信頼性
2008年9月26日第4回情報の共有・公開
2009年3月10日第5回人材・技術マップ(総論)
2009年9月7日第6回失敗から学ぶ
2010年3月8日第7回教育・訓練
2010年9月6日第8回コミュニケーション
2011年3月8日第9回手順書・マニュアル
2011年9月14日第10回ヒヤリ・ハットと危険予知
2012年3月12日第11回安全の確保と信頼・理解の醸成(総論)
2012年10月13日第12回エネルギー問題に関する国民的議論
2013年3月16日第13回レジリエントな組織はQMSで作れるのか
2013年10月12日第14回柳田邦男氏とともに「福島事故」を考える
2014年12月23日第15回社会の安全・安心を確保するための行政による規制と事業者による自律的
マネジメントのあり方
2015年12月25日第16回事故調査の社会的役割と進め方
2016年12月23日第17回信頼を得るための方法
2017年12月24日第18回安全文化の醸成と全員参加の実現
2018年12月22日第19回情報・知識の共有による安全・安心の確保
2019年6月21日第20回安全に寄与する組織文化の核心とは
-リーダーシップ・マネジメントの視点から
2020年11月14日第21回社会の変化と人の育成
-学習機会の減少、過酷な状況への対応、自動化の進展がもたらすもの
2022年5月14日第22回安全・安心な社会の実現を目指して
-品質不正、規制と自主的マネジメント、科学的問題解決法の教育
2023年12月18日第23回DXによるプロセスの革新・改善が社会にもたらすもの

過去のワークショップの報告書(講演・討論記録、PDF)を各1,000円で頒布しています。
NPO法人パブリック・アウトリーチ(info@ponpo.jp)まで氏名・送付先(E-mailアドレス)を連絡して下さい。
今回のワークショップ(第24回)の報告書(講演・討論記録、PDF)についても1,000 円で頒布の予定です。2025年4~5月ごろ準備できる予定です。

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