第157回講演会ルポ
ソニーにおけるコトづくり〜人間中心設計によるUX品質向上の取り組み〜
2026年5月15日、中部支部第157回講演会が開催されました。講演(1)は寺山 昌子 氏(ソニ―(株)品質CSセンターUX・ソフトウエア品質推進部)による「ソニーにおけるコトづくり」、講演(2)は加藤 進也 氏(同社エンタープライズソリューション事業部 商品部クライアントSW設計課)による「B2Bソリューションにおける人間中心設計(HCT:Human-Centered Design)の実践とビジネス経過」の2題でした。
(1)寺山 氏は、顧客体験(UX)を品質の一要素と位置づけ、HCDの視点を商品化プロセスの中に組み入れたコトづくりの在り方を示されました。つくり手が充分価値があると考えたモノを世にだしても、ユーザーにとっては必ずしも価値あるモノとはならない、だから開発段階でHCDを導入すべき、とされました。
(2)加藤 氏は、B2Bソリューションの現場でHCDを実践し、UX品質向上とビジネス成果につなげた開発例として、座席管理ソリューションSEATouchを示されました。(SEATouchは交通系ICカード、電子マネーなどで幅広く使われています。) この利用者の中には視覚障害の方もおられ、HCDの観点から視覚障害のあるソニーグループの社員6名によるユーザーテストを実施し、スマホの読み上げ機能を利用して実際の利用状況を詳細に観察し、利用時にユーザーが遭遇する困りごとを抽出し、仕様に反映させることにより、視覚障害者のみならず、晴眼者にとってもより使いやすい座席管理システムができたこと報告されました。
モノづくりの根幹は顧客価値の創造であることを示されたと思います。つくり手が一方的な思い込みやひとりよがりにならないように、HCDを導入しユーザーにとっての価値を追求する商品開発の重要性が強調されました。
この講演会はオンラインで行われ、参加者は63名、会終了後のアンケート調査での満足度は4.8と高い評価が示されました。
齊藤 雅也(総合犬山中央病院)
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