第134回クオリティトークルポ
食の安全:HACCPの本質を理解してISO22000を使いこなす
6月23日の午後、「第134回クオリティトークルポ 食の安全:HACCPの本質を理解してISO22000を使いこなす」と題するクオリティトークが開催され、東海大学海洋学部水産学科客員教授である荒木惠美子先生にご講演をいただきました。
食の安全に携わる者として「HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)」や「コーデックス規格」、「ISO22000」などにはこれまでも馴染みがあり、個別に内容を把握していましたが、相互の関係について積極的に考える機会はありませんでした。今回のクオリティトークをこの相互関係を学べる良い機会と捉えて参加することにしました。私なりにまとめたポイントを以下に記します。
・HACCPは、危害要因を把握し、それに基づいて危害要因の除去や低減のために特に重要な工程(重要管理点)を抽出するための手法であること。重要なハザードの管理に焦点が当てられているものの、HACCPのみでは食の安全システムとして機能しないこと。
・コーデックス規格は、食品ハザードをコントロールするための規格であり、WTOのSPS協定における食品分野で唯一の国際規格であること。数多くのISO規格が多く引用され、また、日本の食品衛生に基づく法令規制の拠所となっていること。
・FSMSの原則には食品安全文化の醸成が包含されていること。醸成は人々の行動に基づく必要があり、今後の課題のひとつとして位置付けされていること。
・トップ診断のひとつに位置付けられるGemba Walksは、ヒアリングすることで経営層自らが各部門の業務・活動の実施状況を直接把握し、改善を促す活動のひとつであり、改善にはコーチングが大切であること。
食の安全を確保するためには、各規格の特徴を正しく理解し、適切に組み合わせることによって安全管理システムを構築し、確実に運用することが大切であると理解しました。
佐藤 健(東京都立産業技術研究センター)
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