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第22回ヤング・サマー・セミナーの開催報告

第22回ヤング・サマー・セミナー幹事 吉田 悠夏

 2025年9月17日(水)〜18日(木)に静岡県浜松市にあるデンソーグローバル研修所・保養所「AQUAWINGS」にて、日本品質管理学会(JSQC)第22回ヤング・サマー・セミナー(YSS)が開催されました。

(第22回ヤング・サマー・セミナー集合写真)

はじめに
 本セミナーは、品質管理分野に関わる産業界と学術界のみなさまが1泊2日の滞在をとおして交流を深め、日頃の困りごとや悩みを共有しながら議論・自己研鑽を図ることを目的として、約10年ぶりに復活開催したものです。参加者の内訳は企業13名、大学生1名、大学院生14名(修士課程12名・博士課程2名)、大学教員3名の計31名となりました。久方ぶりの開催にも関わらず、産業界からも学術界からも多くの方にご参加いただき,とりわけ企業からの参加者数が過去最多となったことは、品質管理の現場と研究が交差するJSQCらしさを強く示すものとなったと思います。

セミナー1日目
 1日目は、参加者一人一人の自己紹介からスタートし、続いて2件の特別講演が行われました。はじめに、JSQC会長で慶應義塾大学の山田 秀 先生より『品質管理:変えるべきもの、変えてはいけないもの』と題してご講演があり、続いて株式会社デンソーの吉野 睦 先生より『ビッグデータの落とし穴』と題するご講演が行われました。その後、参加者による研究発表会が行われ、1件目では、東京理科大学の大学院生の池内 宥人さんが『応答が直線関係の場合の測定精度評価に関する研究』と題して発表を行い、続く2件目には、アネスト岩田株式会社の大西 宙さんからご提案いただいた『【オープン討議】「勘と経験」からの脱却』をテーマとして、フロアと活発な意見交換が展開されました。

(山田 秀 先生による特別講演の様子)

 夕食後には、AQUAWINGSの最上階にある「Sky Dining and Bar」にて懇親会が開催されました。分野や立場を超えて参加者同士の交流が深まり、YSSの魅力が十分に発揮された懇親会となったように思います。この懇親会が、さまざまな背景を持つ参加者の親睦を深め、品質管理分野の将来に向けたネットワーク形成へとつながる有意義な機会になっていれば嬉しく思います。

セミナー2日目
 2日目は、参加者による研究発表会から始まりました。まず、トヨタ自動車株式会社の小茂田 岳広さんより『ビッグデータ時代における古典的品質管理手法の効果と教育』、続いて株式会社デンソーの菊池 元太さんより『因果探索の製造データへの適用:性質と事前知識を踏まえて』と題して話題提供が行われました。最後の特別講演では、元JSQC会長で、現在はデータ共同利用基盤施設副施設長を務める椿 広計 先生より『若かったころのJSQC統計手法研究会活動〜積み残した多くのことへの反省〜』と題した講演があり、椿 先生ご自身の経験に基づくメッセージが参加者へ届けられました。

第23回YSS開催に向けて
 第22回YSSを締めくくるにあたり実施したアンケートでは、「大変勉強になった」、「貴重な機会だった」といった声が多く寄せられるとともに、より充実した企画を望む前向きなご意見も数多くいただきました。これらを踏まえて、次年度も株式会社デンソー様のご協力のもと、同会場「AQUAWINGS」にて第23回YSSを開催することが決定しました。第23回YSSは2026年8月中旬〜下旬頃の開催を予定しています。みなさまのご期待にお応えできるよう準備を進めておりますので、どうぞご期待ください。詳細につきましては、JSQCホームページおよびメーリングリストにてご案内いたします。

さいごに
 本開催にあたり多大なるご支援を賜りました椿 広計 先生、永田 靖 先生、山田 秀 先生、企画・運営にご協力いただいたJSQC事業広報委員会のみなさま、株式会社デンソーのみなさま、JSQC事務局のみなさま、そして、セミナーにご参加いただいたみなさまに心より感謝申し上げます。

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jimukyoku01
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