私の提言 複数の居場所を作る
(株)日立システムズ 小山 清美

アルムナイ(またはアラムナイ、ラテン語:alumni)とは、当初は教育機関の卒業生をさす言葉であったが、転じて企業の退職者をさす言葉としても用いられる(Wikipediaより)。
最近様々な“同窓会” に参加して、数十年ぶりに友人・知人と再会した。これまで大学(院)までの教育機関を卒業し、複数の企業・部署に所属した。いくつかの学会や団体活動にも参加しており、継続している一つが日本品質管理学会である。
所属する場を複数持つ良さは、様々な経験や知識との出会いだけではなく、人脈の広がりにあると思っている。私は30年以上システム・ソフトウェアエンジニアリング分野に身を置いているが、意外な場所で同じ方に再会することが多々あった。そこから新たな人脈が作られ、さらに大きなネットワークに繋がることができたと実感する。一度でもお会いした方がいれば、それは安心していられる場所となる。しかもそれが複数あることは私の誇りであり、救いにもなってきた。
現在、私の職場には若手が多く、会社以外の居場所を持っていない方が多い。優秀な層ほど、独力で大量の業務を捌き課題解決することに集中するため、他に目が向きにくい。そのようなとき、職場以外の居場所を作ることを強く勧めている。新たな知識の獲得といった堅苦しい目的だけではなく、仲間づくりや時には後輩として甘えられる、いつでも参加できる場所が助けになると考えるからである。職場の諸々から離れ、別視点を持てる場所で、考えや心を一旦整理すると、新たなアイデアに繋がることさえある。
ただ、ゼロからその場所を見つけろというのは酷な話である。そこには経験をしてきた先陣から積極的に誘導すべきであろう。かつて自分が導かれたように。論文発表などの実績に繋げられることが理想だが、まずはイベント参加や、他者の発表を聴講することから始めてもよいと考える。
学会の代議員という貴重な経験をした立場としては、次を伝えたい:
(1)職場以外の居場所を作ろう
(2)人脈で人生を豊かにしよう
(3)アルムナイを活用しよう
日本品質管理学会はその名称から、重鎮によるお堅い団体との印象が強い。参加すれば誤解はなくなるが、初回参加のハードルを下げられるよう企業側の一人として貢献できればと考える。
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