私の提言 整理・整頓・「共有」
早稲田大学 竹本 康彦

情報の送信側と受信側では、随分温度差があるように思う。大学を例にとってみる。なお、これは特定の大学、例えば早稲田大学の事例を指しているわけではない。高校までと違って大学ともなれば、多くの組織体が内在する。学部・学科、教務課、学生課、図書館、同窓会組織などが挙げられる。新入生であれば、オリエンテーションのときに様々な組織体から情報が伝えられる。以前は大量の文書が紙面で配付されていたが、現在では紙面にURLだったり、QRコードだったりが印刷されている。そこをたどると、以前にも増して大量の文書が届けられていることに気付く。発信する組織体は、そこで必要な情報を整理・整頓しているだろう。しかし、各組織体からの膨大な情報を必要なときに参照できるようにするための管理は、受信側に委ねられている。新入生には優しくない。(もちろん、情報の整理・整頓の方法を自ら工夫して構築していく教育的側面があることも忘れてはならない。)
このような背景を踏まえ、整理・整頓の後の「共有」について提案したい。日本品質管理学会内にもいろいろな組織体が存在する。それは各種委員会であったり、支部組織であったりする。それぞれが様々な活動を実践することで、学会の活性化につながる。ただし、それぞれの組織体が各々の情報を整理・整頓して発信しているだけでは、先に示した大学の新入生の例と変わらない。たとえば、学会ウェブサイトのトップページにカレンダーを配置して、行事のスケジュールが一目でわかるようにしておくのはどうであろうか?学会内の様々な組織体の活動が可視化され、学会活動の見通しがよくならないだろうか?カレンダーがあれば、自分の都合に合致するものに対して詳細を確認し、参加を考えることができる。当然、カレンダーを設置しておけば、情報を埋没させることなく、継続的に注目を集められる。
マネジメントを標榜する学会だけに、効率的かつ効果的な運用が望まれる。欲を言えば、共催や協賛をしあう学会間で情報の共有ができれば、集客力を高めることも考えられるし、そもそも参加者が分散しないような配慮も期待できる。別に行事に限ったことではない。先の松葉氏のご提言を見ても、まず様々な情報を共有するのが第一かと思う。
投稿者プロフィール

最新の投稿
お知らせ2025年6月16日新規研究会・ワークショップの受付
お知らせ2025年6月16日ニューズNo,421を読む
お知らせ2025年6月16日トピックス
第22回ヤング・サマー・セミナーへのお誘いお知らせ2025年6月16日私の提言 整理・整頓・「共有」