私の提言 品質管理教育の社会への貢献
(有)福丸マネジメントテクノ 福丸 典芳
学習指導要綱が10年ぶりに改訂され、小学校は2020年度、中学校は2021年度、高校は2022年度から新しいカリキュラムになります。この目指すところは、学んだことを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力、人間性など」、実際の社会や生活で生きて働く「知識および技術」および未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力など」です。
これをもとに、小学生の算数では、データの収集・分析によって、その傾向を踏まえて課題を解決し、意思決定する力を育成することが重視されています。これはデータのとり方・まとめ方に関するものであり、3年生では棒グラフの特徴とその用い方、4年生では折れ線グラフの特徴とその用い方、5年生では円グラフや帯グラフの特徴とその用い方、平均の意味、6年生では代表値の意味や求め方、度数分布を表す表やグラフの特徴と使い方、さらに目的に応じてデータを収集したり適切な手法を選択したりするなど、統計的な問題解決の方法を知ることが求められています。
中学の第1学年ではヒストグラム、相対度数、確率、第2学年では四分位範囲、箱ひげ図、第3学年では標本調査と母集団、高校の数学Ⅰでは分散、標準偏差、散布図及び相関係数の意味やその用い方を学習します。
このため、これらの統計に関する学習をサポートするため、日本品質管理学会は社会貢献の一環として、小学校から高校まで学ぶ統計に関するわかりやすいオンライン無料動画を提供することが急務です。このような活動により日本品質管理学会が社会に認められ、その知名度向上にも役立つと思います。
参考として私は次のような活動をしました。3月からのコロナウイルスの拡散により学校が休校になり、自宅で親が子供に教える機会が多くなってきています。しかし、親からデータの取扱いに関する教え方がわからないので、勉強をしたいとの意見がありました。このため、品質管理に携わっているものとして社会貢献することが大切ではないかと考え、小学校と中学校で学ぶデータのとり方・まとめ方について1時間程度のオンラインセミナを開催しました。このような活動を進めることで、品質管理に関する情報提供を行うことで社会に対するサポートができたと確信しました。
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