第455回事業所見学会ルポ
(株)イトーキ 関西工場

 1890年の創業以来、社会の「働く」環境をデザインし続けてきたイトーキ。その先進性と働く人への想いは、主力拠点である関西工場にも貫かれていました。
 約10万㎡の工場では、その技術の多様性と生産体制の柔軟性に驚かされました。例えばチェア工場では、わずか20種類の基本設計から、色・素材・機能の組み合わせにより5万通りもの製品を生産可能にしています。裁断、縫製、溶接、ウレタン成型といった多様な技術が有機的に連携し、無駄のない生産フローが構築されていました。また、高付加価値製品の少量オーダーに対応する「APセンター」では、多品種のセル生産を実現しており、あらゆる顧客ニーズに応える体制が整えられています。
 一方、品質へのこだわりは揺るぎません。最終的な品質チェックは、熟練した従業員の厳しい目と手によって丁寧に行われており、テクノロジーと人の技の融合が、同社の品質を支えていることを実感しました。
 特に印象的だったのは、従業員満足(ES)が顧客満足(CS)の向上につながるという考え方が、現場の隅々にまで浸透している点です。従業員の意見を取り入れて作った休憩室は、街角のカフェを思わせるファッショナブルな空間でした。案内してくださった管理者や現場の方々からは、自らの仕事への誇りと、より良い製品を届けたいという情熱が伝わってきました。イトーキが推進する「働き方改革」が、単なる理念ではなく、現場の活力となっていることを実感しました。
 「働く」の未来を創造する同社の姿勢は、最新技術と人を大切にする企業文化が融合しており、非常に有意義な示唆に富んでいました。

北川 昭浩(北川技術士オフィス)

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