第452回事業所見学会ルポ
アイリスオーヤマ(株)角田I.T.P.

 2025年7月25日(金)、宮城県角田市にあるアイリスオーヤマ株式会社 角田I.T.P.(インダストリアル・テクノ・パーク)を20名で訪問した。
 アイリスオーヤマは、家電、食品、ヘルスケア、ロボティクスなど多岐にわたる事業を展開し、政府備蓄米の迅速な販売でも知られている。
 はじめに、アイリスグループのモノづくり中枢拠点である角田I.T.P.構内を見学し、試験評価センターでのJNLA測光検査や耐摩耗試験、精米で培った低温製法と内製のトレーや脱酸素剤を用いたパックごはんの生産ラインなどについて説明いただいた。
 見学後、品質管理本部 大泉 氏から、(1)5つの企業理念のもと、「ユーザーイン発想」即ちユーザー視線で物事を捉え、アイデアあふれるモノづくりを通して、企業発展に不可欠である「需要創造」を実践していること、(2)コア技術×ユーザーイン発想で、例えば不織布技術をコアに、ペットシーツ→マスク→フィルターというシナジー効果ある商品展開で、次々に新規事業に参入していることなど、会社概要を講演いただいた。
 次に、同本部の金井 氏から「アイリスオーヤマの品質管理の変遷」、下村 氏から「食品の品質管理体制の構築」について講演いただいた。事業領域が日用品から家電、食品へと拡大し、想定されるリスクと品質管理に求められる難易度が増加する状況下で、知見不足をどのような対策で補い、品質管理体制をどのように築き上げているか、その実施方法を具体的に説明いただいた。続いてDRや社員教育、人材採用などに関する参加者からの質問に対して詳細に回答いただいた。
 同社の優れた実績の背後には、(1)関係者全員が同時に情報共有し、意見交換できる仕組みが有機的に機能しており、(2)その仕組みを使って業務遂行することが日常的に当たり前であるという強固な組織基盤が存在することを強く実感した。
 本見学会開催にご高配を賜り、ご丁重にご対応いただいた角田I.T.P.の皆様に心から感謝申し上げます。

海老根 敦子(駿河台大学)

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jimukyoku01
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