私の提言 30~40歳代会員の学会参加促進について
富士フイルム(株) 松葉 且祥

学生時代のヤングサマーセミナーと夜の懇親会で議論した山田秀先生が会長就任されるため、10年ぶりに2024年11月の年次大会に参加した。新旧会長講演では、会員数減少の報告や質疑がされていた。これに関して、久々の年次大会でいくつか感じたギャップがある。
(1)年代差ギャップ
20歳代の学生、50歳代以上の産学界の方は多かったが、私を含む30~40歳代の参加は少なかった。かく言う私も10年ぶりの参加となる。
(2)会社間ギャップ
例えば、デンソーさんは、前会長の若林氏をはじめ、DN7(DX版QC7つ道具)の活用事例発表や、復活するヤングサマーセミナーの会場に施設を提供される等、積極的に参加されていた。懇親会でお話したが、学会参加の意義や価値を見出して参加されていることが伺えた。
(3)学会に参加する方・しない方のギャップ
参加常連の方々は、発表会や懇親会でも同志のように熱く議論されていた。私の周辺の会員で、参加していない同僚や大学時代の友人らは、発表内容が現在の業務に関係なさそうだからと、参加していないように思われる。それゆえ退会する人もいる。私もその節があり、学会から遠ざかっていた。
(4)品質管理学会と他の学会・イベントとのギャップ
他の学会や講演会、解析ツール等のイベントに行くことがあるが、(1)とは逆に、30~40歳代の参加者が多く、その場は参加者同士のネットワーキングの要素が強い。発表者の内容に同調して議論が盛り上がる人、現在の業務の悩みを共有し共感する人など、同志を見つける場、ネットワーキングの場が存在する。私も過去に、非常に盛り上がり、その企業の方々と何度か交流会を開催した。11月の年次大会では同年代の方が少なく、寂しさを感じた。
現在の年次大会は、特定の品質管理・統計解析手法や、医療・福祉等の特定の業界に関する発表が多いと感じるが、幽霊会員が多そうな、働き盛りの30~40歳代の困りごとや悩みを共有・議論できる場、ネットワーキングできる場がもっとあってもよいと思う。その困り事をユーザニーズとして吸い上げ、解決手段を提供・議論していける学会であって欲しい。
かく言う私も、2年前に代議員を拝命したが、こういった活動の一翼が担えればと思う。
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