第450回事業所見学会ルポ
セイコーエプソン
2025年6月12日、日本品質管理学会 東日本支部主催の「セイコーエプソン様事業所見学会」に参加しました。
場所は、諏訪湖のほとりにある本社事業所で、まず訪れたのは「エプソンミュージアム諏訪」。
ここでは、セイコーエプソンの原点である機械式腕時計の製造から、現在のインクジェットプリンターやプロジェクターへと進化してきた歴史を、展示物と共にわかりやすく解説していただきました。
中でも特に印象的だったのは、国際スポーツイベントのタイム計測を記録するというニーズが印刷技術の開発につながり現在のプリンターへと発展したこと。また腕時計のデジタル表示技術が画像表示の液晶技術へと発展し、プロジェクターの開発に結びついたとのお話です。
こうした技術進化の背景に、同社の理念である「省・小・精(より効率的に・より小さく・より精緻に)」の精神が貫かれているところにも深く感銘を受けました。
その他、環境への配慮として「諏訪湖を汚さない」という信念をむしろ技術革新のきっかけと捉えたのであろう、印刷済みの紙を粉砕して直接紙を再生する製品も紹介していただきました。
現在の主力製品は、売上の約7割がプリンター関連、残りがプロジェクターと腕時計などの精密機器で半々とのことですが、「時計製造の技術がプリンターやプロジェクターといった大きな柱に育った」との説明がとても印象的でした。
見学の後、品質保証の取り組みについても紹介がありました。品質保証というと、どうしても「問題を見つける」などネガティブな印象を持たれがちですが、同社では「エプソンファンを増やす」という前向きな視点で活動されている点と、過去の失敗は社員が「なるほど」と納得できるまで説明し、教訓として活かそうと工夫している点は、私自身の業務にも今後活かしていきたいと感じました。
最後に、このような貴重な学びの機会を提供してくださったセイコーエプソン㈱および日本品質管理学会(東日本支部)の皆様に、心より感謝申し上げます。
杦本 貴司(旭化成(株))
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