JSQC「日常管理の指針」
講習会ルポ―日常管理の本質を学ぶ―
「日常管理の指針―日常管理の本質を学ぶ―」の講習会が2024年7月11日(木)午後1時30分からオンラインで開催され、23名が参加した。
講師の古谷健夫氏はトヨタ自動車でTQM推進部長等を歴任され、また日常管理指針の作成メンバーであることから、ご自身の豊富なご経験も交えながらわかりやすくご説明いただいた。
日常管理は日常業務をより効果的・効率的に進めるための活動で、SDCA(標準化→実施→チェック→処置)サイクルに基づく自主管理活動である。標準化の定義とその「4大便益」の解説に続き、「人間はミスをする」ということを前提に「守れないときにどうするか?」も含めて取り組む必要があること、標準を維持するためには管理項目と管理水準を定め、それらに基づく異常の検出と対応を通じて不具合の発生を防ぐことなどについて解説があった。
また、各部門においては自らの役割と使命に求められる基準に適合するアウトプットを出せるようにプロセスを標準化する取り組みが必要であり、経営資源を預かる上位管理者は自分の目で現場見ること、そして現場の管理者の悩みの相談に乗り、第一線の従業員を激励することが重要な役割であることなどについて講師の経験談を交えて具体的なご説明があった。
さらに、日常管理の活動においては問題解決が重要であることから、講師ご自身による高校生向け問題解決教科書の執筆、聖路加国際大学看護学部と連携したキリバス共和国での医療改善プロジェクトなどの興味深い事例が紹介された。
設計など標準化が難しい部門では、あるがままのプロセスを明確化する「表準化(おもてひょうじゅんか)」から取り組むとうアプローチは、私のフィールドである事務などのオフィス業務とっても大変有益と感じた。また、「デジタル化に伴って異常の発生が見えにくくなっている面があるので要注意」とのご指摘は、急速に進むDXの流れの中での新たな課題と感じた。
宮﨑 敬((株)オフィスソリューション)
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