第155回講演会ルポ
品質保証と人材育成への取り組み
2025年7月1日、関西支部主催第155回講演会『品質保証と人材育成への取り組み』が開催されました。
関西支部・清水幹事長より開会のご挨拶の後、講演(1)では鱠谷 佳和 氏(元(株)村田製作所)により「調達品品質確保のための人材づくりと仕掛けづくり」についてご講演いただきました。ご講演では、調達品品質確保に必要な人材の能力として、専門知識や周辺知識だけでなく、仕事の基礎力である「考える力、対人力、頑張る力」が大切であり、仕事には常に「2軸志向を持つ(仕事で結果を出すことが第一だが、同時にその活動を通じて、自分のどんな能力を高めるかを意識して仕事をすること。経験からできるだけたくさんのことを学んでやろうという姿勢が勝負を分ける)」というお話は、人材育成を考える上で、大変興味深いご講演でした。また、能力を鍛える仕事の中での経験学習について、Y(やったこと)、K(気づいたこと)、T(次にやること)のサイクルとして、大変分かりやすくご紹介いただきました。
続いて、講演(2)では茨木 康充 氏(ヤマハ発動機(株)執行役員 生産技術本部 本部長)並びに、内田晴久氏(調達本部 調達推進部 企画推進グループリーダー)より「“廉価・汎用・横展開”内製技術DXを使ったお取引様との協創活動」と題してご講演いただきました。現場が自ら暗黙知を形式知化できる「現場サイエンティスト」を育成する活動について、具体的且つ現場の臨場感がありありと伝わるご講演でした。「デジタル人財が足りないことではなく、現場が自らの仮説を定量化できない点」に突き刺さり、ヒト創りと環境創りで実践されたお取組は、DX活用を実践・検討している聴講者にとって、非常に有益な講演となりました。
最後に閉会挨拶は、猪原 正守 氏(大阪電気通信大学 名誉教授)にお言葉をいただき閉幕いたしました。
参加者数は対面・リモート合わせて約66名となり、質疑応答も活発に行われ、大変有意義な講演会でした。
鍋田 真由香(ダイキン工業(株))
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