第146回講演会(東日本)ルポ
脅威を防ぐ製造業のサイバーセキュリティ
2022年8月3日(水)に第146回講演会がオンラインで開催され、28名が参加した。講演者は佐々木弘志氏、「脅威を防ぐ製造業のサイバーセキュリティ」と題して、講演1では、サイバー攻撃の脅威と、製造業のサイバーセキュリティ対策の全体像、講演2では、製造業のサイバーセキュリティ対策と仮想企業によるサイバーセキュリティ対策の実施例で、今までサイバーセキュリティを身近に感じることは少なかったが、興味深い内容でした。
ものづくりの事業者では、DX、働き改革、コロナ禍等のビジネス環境の中で、サプライチェーン、他事業者、ITのアウトソーシングやサービスの提供において、サイバー空間上でのつながりが増え、サイバー脅威が増加し、サイバー被害が発生し、規制・ガイドラインの策定が進んでいる状況である。
サイバーセキュリティとは、サイバー空間を使った悪意ある攻撃及び設定ミスなどの管理不良からサービス、情報、資産の機密性、安全性、可用性(CIA)を守ることであり、技術的、組織的、物理的、人的な脆弱性に対し、セイバーセキュリティ対策が必要になる。昨今、通信障害や不祥事が起きており、セキュリティ課題が顕在化している。また、製造業のセキュリティ管理については、4P(組織、プロセス、システム、パートナー)と5つの領域(情報システム、制御システム、製品・サービス、サプライチェーン上流、サプライチェーン下流)をマトリックスの表にすることで管理全体を把握し、課題抽出、対策検討に活用できるフレームワークを知ることができた。
ある製造工場では、IoT、AIを活用して、製品外観の自動検査や品質記録改ざん対策の為の検査記録自動化等を進めるにあたって、フィジカル空間(工場現場)とサイバー空間(クラウド)とのつながりができている。今回の講演会に参加したことで、製造業のサイバーセキュリティ対策の重要性を認識した上で、ものづくりの品質維持・向上を推進する立場として、どのように関係づけをし、品質活動をしていくかを考えることとなった。
金子 昌夫((株)内田洋行)
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