第146回クオリティトークルポ
カイゼンは“人づくり” です
2025年4月22日(火)に、第146回クオリティトークがオンラインで開催された。「カイゼンは“人づくり”です」をテーマに、川原洋一先生(ANAビジネスソリューション(株))にご講演をいただいた。
前半は、ヒューマンエラーの話だ。ヒューマンエラーが起きても、「事故にならない仕組み」を持っているという。エラーのメカニズムや影響について、エラーチェーンを切る事の大切さについて触れた。
後半、ヒューマンエラー対策×カイゼンから、「ANA流の気づく力を持った人づくり」の本題に入る。
カイゼンは、「原状に満足せず、今よりもっと良くしたい」意志を持った行動であり、「自ら課題に気づき、自ら対策し、改善していく」ことがポイントである。
一生懸命に、仕事をしているからこその“気づき”であり、“気づきをカイゼン”に、改善したことから、“新しい気づき”が生まれ、更に、カイゼンが進むのだ。この「気づく力」を持った「人づくり」が、ANA流のアプローチであるという。課題を探すことから始めるのではなく、目的を明確にすることの大切さを、改めて、問う。知識×体験=知恵であり、知識だけ詰め込んでもカイゼンは出来ない。他の人がやった事を、見て聞いて、なるほど! そして、使えるようになる。それが、知恵だ。一人ひとりの“気づき”を活用する仕組み(ヒヤリハットやカイゼンデータベース)についても紹介された。
ヒントは自分の「足元」に転がっている。答えは「ここ」にある。第一人称(自分ごと)として捉え、より楽に、安全にするために「カイゼン」に取り組む。推進者の育成、そして、活用する仕組み作り。企画室が取りまとめ、戦略的に取り扱っている本気さが、うまく融合しているのだと感じた。
興味を持たれた方は、川原先生が執筆した書籍:『ANAのカイゼン』、かんき出版(2024)を手に取ってみてはいかがでしょうか?
上條 秀昭((公財)筑波メディカルセンター)
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