第124回クオリティトーク ルポ
SDGsと総合的品質管理
2021年8月18日(水)、第124回クオリティトーク「SDGsと総合的品質管理」がオンラインで開催された。
東京都市大学 兼子先生からの開会挨拶に続いて、株式会社テクノファ会長平林良人氏より講演が進んだ。始めに、現状の地球の抱える最重要課題「地球温暖化」についての説明、そして2015年にSDGsが発行されるまでの歴史を、何が問題?何が課題?との投げかけながら解説された。
次に、SDGs目標をどのように解決/達成させるには総合的品質管理(TQM)そのものであることを説明した上で、国連が検討中の「SDGインパクト規格」の4要素(戦略、マネジメントアプローチ、透明性、ガバナンス)を中心として説明された。さらに、SDGsを組織活動とするためどのように取り組むかを、その4要素毎に内容を解説しながら、JSQC規格(方針管理/日常管理)、TQMの原則(目的、手段、組織運営)、ISO附属書SLとを関連付けながら解説された。
最後の全体討論は、兼子先生の司会により進められた。その中で「国連の規格へ取り組みを知ることができて良かった」、「お客さまのことのみを考えるのでは今後は不十分であり、国を超えての課題の必要性を述べているのではないか」、「日本の行政機関がもっと噛み込む必要があるのでは」といった意見も出されたが、「国連のSDGs、SDGインパクトと、ISO規格と重なる面があるように思えるが?」、「ISOの述べていることに対し、国連の対応に何か裏があるのではないか」などの質問/疑問も出された。氏から「大学でもSDGsワークショップを開催していること」、「企業も、国際的に不利になる可能性もあり、過去の失敗を繰り返さないことが肝要である」と述べられていた。
終了時の評価では、十分あるいはほとんど理解できたとあり、受講者にとってSDGsへの取り組みの必要性、国連の動き、プロセス保証に関する体系的理解などを深める機会であったと纏めたい。
寺部 哲央(元・日産自動車(株))
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