第51年度事業報告

自2021年10月 1日   至2022年 9月30日

1.概況(会長:永田 靖)

 本学会の第51年度の取組みは、前年度と同様、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、各種行事の開催や、理事会をはじめ各種委員会や研究会などの会合も、ほとんどがオンラインでの開催となり、運営面に対しては大きな影響がありました。

 こうした中においても、当初計画した行事については、オンラインでほぼ予定どおり開催することができました。とくに、研究発表会については、実行委員会を中心に運営する体制を開始いたしました。また、オンライン開催により、地理的な垣根を越えることができるようになりました。支部単位での企画を共有する支部連絡会の設立など、オンラインでの開催方法を確立できました。年間を通じた開催計画を事前にお知らせするなど、今後も円滑な運営ができるように、こうしたノウハウを整理いたしました。

 「ミッション、ビジョン」は50年度の第465回理事会(2021年1月18日開催)にて全会一致で承認されました。重点実施事項3ヶ年中期計画の2年目にあたり、実施事項とその評価、および今後の課題を示します。

2.総合企画委員会(委員長:永田 靖)

 重点実施事項3ヶ年中期計画の進捗フォローおよび具体的な進め方検討の場として、総合企画委員会にて活動をしました。メンバーは会長、副会長を中心に少人数の構成としています。学会の会員数の減少が続く中、魅力ある学会の実現に向けて、議論を重ねて参りましたが、未だ会員増にはつながりません。今後も継続して議論してまいります。

【品質誌あり方検討WG】
 Total Quality Science(TQS)を、トップジャーナルに育てるためのオープン化、国際化に向けて準備を進めました。国際基準で研究者が安心して、積極的に投稿したくなる雑誌とするべく、投稿管理システムを整備するとともに、個人情報保護、出版倫理などに関するルールの整備に取り組みました。これらの検討の中で、専門家によるレビューなど、大きな工数と経費を要するアイテムについての取り組みが必要であることがわかってきたため、資金等必要なリソース確保のために科研費の申請にも取り組みました。

【研究発表会実行委員会(特別委員会)】
 2021年12月の理事会で発足した新しい委員会です。役割は、研究発表会を企画・実施していくことです。これまでの研究発表会における事務局業務のうち、見えにくかった業務を明文化し、委員会で行う方がよい事業について、委員会で行うことである。業務のみえる化と事務局業務の軽減の両方を目指しました。
 複数回の委員会を開催し、今春の第128回研究発表会のチュートリアルセッションの企画・実施、そして研究発表会のプログラム作成などサポートしました。
  そして、第52回年次大会の研究発表会開催の準備を行いました。

3.庶務委員会(委員長:佐野 雅隆)

 第51年度の庶務委員会では、理事会での議論整理、イレギュラーな対応等、これまでの委員会活動を継続しました。また、事業復活支援金の申請や学会運営のスリム化に向けて検討など、財務面での対応も進めました。詳細につきましては、以下を参照ください。

【会員サービス】(委員長:西 敏明) 
 会員数(2022年9月現在)(括弧内2021年9月比)は、現在、名誉会員22名(2名増)、正会員1718名(23名減)、準会員75名(12名減)、職域会員49名(1名減)、賛助会員 155社227口(4社増4口増)、賛助職域会員14名(2名増)、公共会員17口(1口減)となっています。
 前年度に引き続き、「JSQC認定品質技術者」((1)上級品質技術者、(2)品質技術者)に関して認定証を発行し、同制度の認知度を高める取り組みを行いました。また、QC検定1級および2級の合格者に対しても、前年度に引き続き、学会年会費が割引となるキャンペーンを行いました。
 学会行事等を通じて、会員増に向けて、理事・代議員等を対象に「これからの学会の新たなサービスと会員増に向けてのご意見について」のアンケートを実施し、現状把握ともにこれから方向性について検討を進めました。

第50年度 第51年度
名誉会員: 20名 名誉会員: 22名
正会員: 1741名 正会員: 1718名
準会員: 87名 準会員: 75名
職域会員: 50名 職域会員: 49名
賛助会員: 151社223口 賛助会員: 155社227口
賛助職域会員: 12名 賛助職域会員: 14名
公共会員: 18口 公共会員: 17口

【規程の制定、改定】(委員長:奥 展威)
 学会規則の見直しは、学会運営の透明性確保、及び活動実態の整合性の観点から規定・内規等の見直しを進めました。

4.活動委員会(事業を含む)(委員長:永田 靖)

【研究開発】(委員長:鈴木 秀男)

 研究開発委員会では、以下の活動を行いました。

  1. 例年通り、各研究会の活動予算を審議し、各研究会に配分しました。
  2. 本年度、2件の公募研究会の設置を行いました。
  3. 本年度も、研究会の研究成果や活動内容を学会誌へ掲載する活動を実施しました。品質誌の「部会研究活動報告」、「研究活動報告」の欄において、継続的に発表しました。一部の部会は、連載の形で研究活動報告を行いました。

【学会誌編集】(委員長:安井 清一)

 第51年度も例年どおり、年4冊の学会誌『品質』を発刊しました。
 事業委員会、研究開発委員会と密接に連携し、研究会報告や部会報告を中心に掲載してきました。この編集方針の変更は、新中期計画に記載されている学会誌再編成の指針に従うものです。ただし、学会誌を学会員にとって魅力的なものにするために、クオリティトークの講演内容の収録や、注目の研究者のまとまった研究を紹介する招待論説にも注力しました。さらに、支部の活動についても、できるだけ紹介していくように努めました。また、JSQCニューズと品質誌との連携、特集記事についても委員会内で議論しました。

【事業・広報】(委員長:熊井 秀俊)

 第51年度はコロナ感染防止の観点から、対面での行事開催が困難なため、オンラインで実施しました。
 魅力ある学会づくりに向けて、オンラインという条件下でも魅力ある行事を目指し、企画・募集・開催運営に工夫をいれて、参加人数・満足度のアップに努めました。
 JSQC規格講習会は、各規格の講習会を定期的に開催できました。
 クオリティトークは、ゲストの協力を得ながら、開催募集と開催運営にいくつかの工夫を入れて行いました。
 事業所見学会は、本来もっとも現場・対面で行いたい行事でありますが、西日本支部において、様々な工夫を織り込んで初めてオンラインにて開催し、高い評価を得られました。

▼(表) 第51年度事業実績

  年次大会 研究発表会 講演会
座談会
シンポジウム JSQC
規格講習会
事業所見学会 Qトーク キャラバン
第51年度実績 1 1 2 2 5 1 5 1

【JSQC選書】(委員長:飯塚 悦功)

 品質に関わる概念・方法論・手法を社会が理解し適切に適用できるように支援するための一方法として、品質マネジメントに関わる、基本的考え方、マネジメントシステム、手法・技法、推進・運用、さらには品質に関わる時事の背景・意味の解説をする一連の書籍の出版化検討(企画・編集)をJSQC選書刊行特別委員会で進めました。

 同委員会を2回開催し、発行書籍候補の列挙、短期(1年程度)的な発行計画(主題、著者、発行時期など)を審議し決定しました。決定された主題にかかる構想の審議や原稿案の査読を行い、下記の書籍の発行に向けた準備を進めました(出版社:日本規格協会)。

 ・『食品安全~HACCPの本質を理解してISO 22000を使いこなす~(仮称)』
  (荒木惠美子)2022年10月予定

4-1. 東日本支部(支部長:鈴木 知道)

 東日本支部のコミュニティ強化を目指して、活動委員会(事業・広報)が中心となりクオリティトーク、事業所見学会を企画しました。ただ、今年度においてもコロナ禍の影響を受けました。しかし、積極的にオンラインで実施し、講演会などを中心に発信いたしました。また、昨年度に引き続き、JSQC規格講習会を企画・実施しました。

4-2.中部支部(支部長:仁科 健 )

(1)研究会活動

 1) 東海地区 若手研究会[主査:南山大学 松田教授 ](計画6回/実績6回、Zoomで開催)

 *産業界から実務上の問題点(困り事、関心事など)、SQCに関連した話題、大学院や学部の学生の研究などを持ち寄り議論しました。

  2) 北陸地区 若手研究会[主査:金沢工業大学 中野准教授](計画2回/実績2回)

 *グローバル競争を見据えた産学連携による「SHINKA」の発信を目差す。

 *研究発表会:2022年2月26日(土)13:30~14:40 発表件数5件、参加者13名 (Teamsで開催)

 *セミナー:2022年5月14日(土)14:00~16:30 日本経営工学会北陸支との共催。
  参加者11名(Zoomで開催)

  3) 中部医療の質管理研究会[主査:代表世話役・事務局 木村 茲 氏](計画5回/実績1回)

 *活動テーマ 「医療の質向上に関する活動の推進」

 *シンポジウム:2022年3月12日(土)13:25~16:00 第15回シンポジウム(Zoomで開催)

  4) 中部支部産学連携研究会 [主査:名古屋工業大学 川村准教授](計画6回/実績6回、Teamsで開催)

 *産学から持ち寄ったテーマを基に5つのテーマを登録し、主担当を決め、学と産が双方向に情報発信を行います。

(2)研究発表会(第129回:中部支部第39回)

 *日 程 :8月24日(水)13:00~18:25(場所:Zoomミーティング)発表件数15件

(3)シンポジウム(第176回:中部支部第40回)

 *日 程 :7月21日(木)13:15-17:00 (場所:Zoomウェビナー)

 *テーマ:「お客様の声から価値創造」を考える

 *主な内容:基調講演1件、事例講演2件、パネル討論会
 (賛助会員を対象として大口参加(5万円で50名までの参加)を試行。7口の参加を得た)

(4)講演会(第144回:中部支部第61回)

 *日 程 :5月13日(金)13:00~14:20(場所:Zoom大規模ミーティング)
  ※第1回幹事研修会と合同開催

 *講演者:四家 千佳史 氏 [㈱小松製作所]

 *講演内容:顧客価値を創造し続けるスマートコンストラクション最新の挑戦

(5)事業所見学会(第430回)

 *株式会社オカムラ中部支社(愛知県名古屋市)[日程:9月13日(火)13時~17時]

  ・テーマ『豊かな発想と確かな品質で、人が集う環境づくりを通じて、社会に貢献するミッションの実践』

(6)幹事研修会

 *第1回 5月13日(金)13:00~15:00 :勉強会 (場所:日本規格協会 名古屋支部/ Zoom 大規模ミーティング)

 ・テーマ『顧客価値を創造し続けるスマートコンストラクション最新の挑戦』 

 ・講師: 四家 千佳史 氏 [㈱小松製作所]

 *第2回 8月26日(金)~27日(土) :北陸地区見学会

  ・見学先:石川県農林総合研究センター 農業試験場

(7)役員会 

 *第1回  令和3年12月 6日 Zoom会議

 *第2回  令和4年 9月21日 日本規格協会 名古屋支部/ Zoom会議

4-3. 関西支部(支部長:綿民 誠)

(1)講演会

 第143回 8月19日(金):オンライン[80名]

 「after CORONA時代のビジネスモデル
  ~製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)とカーボンニュートラルへの取り組み~」

講演①:兼安 暁 氏(DXTコンサルティング代表取締役)
講演②:福本 勲 氏(㈱東芝 デジタルイノベーションテクノロジーセンターチーフエバンジェリスト)

を実施を計画し、実績は、21名 開催時期について、他の組織による講演会と重なっており、参加者を十分に集められませんでした。講演内容は具体例も多く、示唆に富んだ講演となりました。

(2)シンポジウム

 第177回 7月25日(月):オンライン[85名]

 「製造業における品質不正防止に向けた具体的施策、技術者倫理教育」

講演①:「技術者倫理の実効性のある実践メカニズム」
    野瀬 正治 氏(関西学院大学大学院 社会学研究科 教授)
講演②:「組織倫理/技術者倫理の実践と技術者の責務 ~組織の変革に技術者が果たす役割を考える~」
    細谷 陽三 氏(細谷技術士事務所 代表、技術士)
講演③:「品質管理者から見た技術倫理と技術者倫理の重要性 ~技術者倫理を品質マネジメントシステムに組み入れる~」
    奥野 利明 氏(奥野技術士事務所 代表、技術士)

 パネルディスカッションの実施を計画し、実績は、48名。アンケートは概ね好評であり、質疑応答でも非常に活発な議論が行われました。今回のテーマであった技術者倫理については、品質不正等とも関わりが深く、今後も引き続き重要な話題となることが予想され、改めてテーマに取り上げることも検討していくこととなりました。

(3)研究発表会

 第130回 9月16日(金):オンライン[60名]

 研究セッションを中心に実施する。また、口頭発表者とその共同研究者の方を対象とした表彰制度(優秀発表賞)の実施や、特別講演では、木曽 望氏(大阪公立大学 工学研究科 航空宇宙海洋系 教授)に「故障からの回復を考慮したシステム運用のための設計指針について」をテーマでのご講演の実施を計画し、実績は、12名でした。
 当初、リアルでの実施予定でしたが、コロナ感染拡大の影響からオンラインに切り替えての実施。また発表申込締切を7/1→7/20に延長し募集を行いました。

(4)事業所見学会

 第431回 1月19日(水):パナソニックセンター大阪 [18名]

 「パナソニックセンター大阪(ショールーム)における業務改善活動の取り組み」

 →「Re-Life Story(リライフストーリー)~もっと、くらしを、豊かに」をテーマにした ショウルームの見学と、パナソニックグループQCサークル世界大会において間接部門でグランプリを受賞したパナソニックセンター大阪リビングフロアのコロナ禍における業務改善活動についてご紹介を計画し、実績は、10名でした。

 当日、コロナ感染者の急激な拡大の影響もあり、申込者17名の内7名が欠席となったが、見学後の質疑応答も活発に行われ、大変充実した見学会となりました。アンケート結果も大変好評でした。

 第145回 9月14日:資生堂㈱ 大阪茨木工場[20名]

 「大阪工場・茨木工場の業務改善活動紹介」

 → 品質向上取組み、及びQCサークル活動のご紹介を計画し、実績は、19名でした。
今年の5月23日に公開したばかりの「SHISEIDO BEAUTY SITE」及び工場のラインの見学で、定員の20名を超える参加申し込みがあり、  コロナ禍にもかかわらず今回の企画に対しての期待の高さがうかがえました。

(5)QCサロン

 第124回 10月12日(火)(参加者:46名)

 「日本発“ものづくり新論”:JITを超えて」
   天坂 格郎 氏(青山学院大学)

 第130回 2月10日(木)(参加者:48名)

 「ベイズ推論とディープラーニングに基づく信頼性解析・故障診断」
   貝瀬  徹 氏(兵庫県立大学)

 第131回 4月19日(火)(参加者:24名)

 「医療サービスにおける経営品質の取り組み」
   斎藤 哲哉 氏(福井県済生会病院)

 第132回 6月 7日(火)(参加者:27名)

 「DXに纏わる疑問と提言」
   川村 大伸 氏(名古屋工業大学)

 第133回 8月23日(火)(参加者:12名)

 「住宅業界におけるDXと品質管理」
   中堀 健一氏(ecomo/log build 社長)

 第134回 10月11日(火)(予定)

 「数理最適化技術とその展開」
   藤江 哲也 氏(兵庫県立大学) 

(6)その他

・AI時代におけるコトづくり品質保証研究会

 3月29日(火)、7月13日(水)、8月24日(水)、9月27日(火)で合計4回のWEB討議を実施しました。特に7月は「議論したいこと、議論すべきこと」について自由討論、8月は「DXを活用したアジャイルマネジメント・アジャイル開発のあり方」「スピード時代における問題のリスクを考慮した問題解決の進め方」、9月は大学認証評価制度と先月議論したスピード時代における問題のリスクを考慮した問題解決(QCストーリー)の進め方を深堀し、<A方式 (トライ&エラー型 Vs J方式(QC的問題解決型)>について議論を行いました。

・ダイナミックロバストマネジメント研究会

 1月17日(月) 、8月5日(金)の合計2回、対面にて討議を実施しました。1回目は、人材育成におけるICT活用、小規規模事業者におけるDRM的取り組みの実践事例、品質月間テキストにおける事例の意見交換を行い、2回目は、大阪産業局の磯誠氏をお招きし、MOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪)で実施する各種施策を紹介いただきました。

4-4. 西日本支部(支部長:高橋 勝彦)

 西日本エリアのコミュニティ強化を目指して、活動委員会(事業・広報)と連携して、下記の事業所見学会を実施いたしました。その際、見学会の中で講演会も実施いたしました。また、コミュニティ拡大のため、中国地区品質経営協会の「経営とTQM」講演会(2022年5月25日、ハイブリッド開催)に、元会長の棟近雅彦氏を派遣し、「品質経営の肝」と題して講演を行いました。

第432回事業所見学会 2022年7月28日(木)13:30-16:30(参加者:50名)

見学先: トヨタ自動車九州(株)宮田工場

講 演: 日経品質管理文献賞記念講演「TQM推進によるビジョン経営の実践」
    米岡氏、中村氏

4-5. 生産革新部会(部会長:安井 清一 57名)

 生産革新部会はサービスエクセレンス部会と合同で開催しました。

4-5-1. 信頼性・安全性計画研究会(主査:横川 慎二 15名)

 51年度は第5期に入り、本研究会の活動として、社会システムにおいて安全・安心を実現するための要素、方法論を提言することを最終期の活動としています。
 対面の開催への復帰は、感染拡大状況を鑑みて見送らせていただき、4回の会合をオンラインにて実施いたしました。また、研究会の開催通知と同時に、議題に関する委員の見解をGoogle Formを用いて事前に収集し、その取りまとめと、ポイントを絞った議論を行って、オンラインにおける議論の停滞や発散を未然防止する取り組みを行いました。
 第4期の議論を引き継いて品質不正発生のシナリオと、品質不正未然防止のシナリオを作成する議論を進めています。委員のこれまでの調査研究成果に基づくシナリオ作成を進めるとともに、社会学の従来研究から示されている常態化に至る条件等の考察に基づく議論を行っています。これらの議論を52年度に継続し、今年度至らなかった成果の公表を行うことを検討します。 

4-5-2. テクノメトリックス研究会(主査:清 智也 13名)

 テクノメトリックス研究会では、「統計的手法を中核とした品質管理手法の開発・普及」のために、手法、考え方、事例などについて幅広い視点から研究してきました。研究会はおおむね3ヶ月に1度の開催で、メンバーが上記の手法、考え方、事例などについて紹介し、メンバー間での議論により研究成果を練り上げていきました。議論したテーマは、3相特異値分解モデル、決定的スクリーニング計画、最小情報従属モデル、累積法に関する注意事項、総合指標の推定法、マハラノビス平方距離の推定量の分布、野球の投球データ分析、グループ分けと最適輸送、ハンティング現象と割引係数法、計算代数的方法による実験計画、など多岐にわたっています。また、JSQC研究発表会や品質誌をはじめとするさまざまな学術雑誌をとおして、研究成果を報告しました。

4-5-3. 商品開発プロセス研究会(主査:椿 広計 31名)

 3つのWGによる研究会をWEBでそれぞれ毎月1回のペースで行いました。2021年11月に品質管理学会年次大会一般セッションでの発表並びに、2022年6月の品質工学会年次大会で両学会共催の企画セッションを開催しました。WG2の活動成果の一部は、品質工学会誌に「技術開発プロセスを設計するプラットフォームT7の提案と検証」として報告されました。

4-5-4. 社会基盤型運輸システム品証研究会(リーダー:岡部 康平 7名)

 交通・物流系における自動・自律化の先端技術が社会インフラの中核として社会に定着するために求められる品質管理、特に、品質保証の在り方について、学術的ならびに実務的な観点で下記項目を検討しました。

  1. (1) PPP/PFI制度に代表される官民連携事業の成功事例の調査
  2. (2) 官民連携事業のビジネスモデルのシステム論的な分析
  3. (3) 自動・自律化技術が社会インフラとして定着するための技術的・制度的課題の検討
  4. (4) 持続可能性(Corporate Sustainability)の観点からの品質管理技術の検討
  5. (5) 品質管理学会規格(新製品・新サービス開発管理の指針)の活用
  6. (6) 社会基盤型運輸システムにおける品質保証の体制・体系の提言

 検討テーマは主に下記の3分野に設定しました。

  1. (1) 自動車の自動安全運転技術
  2. (2) ドローンの自動航行技術
  3. (3) サービスロボットの自律搬送技術

 今年度の前半は、上記3分野を専門とする各委員から話題提供し、各分野の技術開発の動向と課題を情報共有しました。また、外部の有識者に講演を依頼し、エクセレントサービスの標準化など、革新的なサービスの創造・運用・管理の最新動向についても情報共有しました。年度の後半は、自動化・自律化技術が社会基盤型運輸システムにもたらすと予想される当たり前品質と魅力的品質の特徴について議論し、社会基盤型運輸システムに求められる新たな品質とその保証について検討しました。

4-6. サービスエクセレンス部会(部会長:伊藤 誠 58名)

 サービスエクセレンス部会は、サービスと生産に携わる幅広い職域を網羅する側面に加えて、各職域が求める課題を部会内に示し、課題の達成に向けて定期的に知識共有会を開催しています。そして、課題達成の原動力と位置付けるDX(Digital Transformation)は両部会の共通課題であり、コトづくりとして包括的にとらえて調査研究を行うために、生産革新部会と合同で取り組みを進めています。
 第51年度は、品質は顧客・社会のデマンドを満たすこと」であることを念頭に、「社会課題」を解決するために提供すべきサービス、及びオペレーション革新を重点として活動を進めました。

  1. (1) デジタル社会の実現に向けて(国策としての取り組み)※知識共有会は50年度に実施済
  2. (2) 地域課題の解決に向けて(自治体の取り組み) ※知識共有会は50年度に実施済
  3. (3) 社会課題の解決に向けて(民間企業の取り組み)
  4. (4) DXを支える信頼性と冗長化(学術的アプローチ)
  5. (5) DXによる社会システムの創生(民間企業の取り組み)

 活動を通して得た情報は、『品質』誌第52巻3号に掲載したほか、クオリティフォーラム(日本科学技術連盟主催)における発表(2021年11月)を通して学会内外に共有しています。
 今後の課題として、オペレーション革新の深堀に加えて、サービスエクセレンス/生産革新の実装を促進するための「考え、活かす場づくり」が道半ばであることから、来期の計画に組み込みます。

4-6-1. サービスのQ計画研究会(主査:安井 清一 17名)

 第51年度も第50年度に引き続き、サービスの質に関する新たな展開を模索するため、サービスエクセレンス部会が主催する知識共有会にて情報収集を主な活動としました。
 本研究会のメンバーは、ISO/TC312(Service Excellence)/WG2で議論されている「エクセレントサービスの設計」の開発に主体的に関わっています。日本から積極的に意見を出し、多数受け入れられたService Excellenceの測定に関する国際規格 ISO/TS 23686 Measuring service excellence performanceが完成し、出版されました。現在は、Service Excellenceを組織に導入するための規格の開発に主体的に関わっています。

4-7. 医療の質・安全部会(部会長:棟近 雅彦 113名)

 今年度の研究活動は、QMS-H研究会との共同研究、医療QMS監査研究会、医療経営の総合的「質」研究会の3研究会で、オンラインによる医療の質マネジメントの方法論に関する研究を進めました。また、医療の質マネジメント基礎講座は、昨年度と同様にオンデマンドコンテンツの提供により開講しました。

(1)QMS-H研究会との共同研究

 例年開催している最終成果報告シンポジウムは、2022年3月6日にオンラインで開催しました。テーマは「コロナ禍におけるQMS-H活動の継続」とし、共同研究グループの成果発表、参加病院からの重点課題の成果報告とパネルディスカッション、学生による共同研究テーマの発表を行いました。
 QMS-H研究会の活動は、すべての参加病院に重点活動を設定してもらい、2022年度の活動を進めています。2022年6月、9月に、オンラインで研究会を開催し、全病院が重点課題を発表するとともに、文書管理、QMS維持・継承、日常管理、教育をテーマとするグループ研究活動も進めています。また、今年度から3年を1期とする6期目に入りましたが、研究会の次世代への継承を図るべく、将来構想を検討する企画運営委員会を立ち上げ、今後の研究会のあり方について議論を進めています。

(2)医療QMS監査研究会

 2022年1月から再開し、2ヶ月に1回の頻度で開催しています。今年度は、これまでの活動内容を振り返るとともに、審査・監査における標準質問例の作成を進めています。2022年11月の年次大会研究発表会で、成果を発表予定です。

(3)医療経営の総合的「質」研究会

 2021年10月から2022年9月まで、月1回の定期ミーティングをオンラインで実施しました。COVID-19パンデミックにおける社会品質、病院BCP、個人情報保護、特にCOVID-19パンデミックと個人情報保護、さらに、COVID-19の蔓延状況におけるFHIR(Fast Healthcare Interoperability Resource)を含めた我が国の医療ITの現状と課題について検討しました。具体的には、コロナ総合政策分析と提案、医療機器規制と個人情報保護、無印良品の標準化と品質保証、PHR(Personal Health Record)の諸問題、ノイズ:組織はなぜ判断を誤るか、徳洲会グループにおけるデータ利活用と可能性、技術革新から展望する未来の社会・医療、EAP(Employee Assistance Program)の現状と可能性、HER(Electronic Health Record) / EMR(Electronic Medical Record)の課題、米国医療へのCOVID-19パンデミック影響評価等であり、その成果は、本学会年次大会研究発表会等で発表しました。

(4)医療の質マネジメント基礎講座

 アウトリーチ活動の一環として開催している「医療の質マネジメント基礎講座」は、2021年4月~12月に、オンデマンド教材を提供する形で開講しました。今年度も個人で受講する個人プランと、同じ勤務先であれば開講期間内は人数無制限で視聴できる団体プランの2種類の受講形式で提供しました。個人プランは61名でほぼ例年通り、団体プランは8病院から申し込みがありました。病院の中には、教育体系に組み込んでいただいた病院もあり、病院の質マネジメント教育として定着しつつあります。2022年も4月~12月で開講中です。

4-8. ソフトウェア部会(部会長:兼子 毅 71名)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、昨年度・一昨年度に引き続き、対面によるすべての活動が停止し、オンライン会議ツールなどによるコミュニケーションを継続してまいりました。

・オンライン会合の開催

 対面での会合が制限されている状況で、オンライン会議ツールを活用し、様々なノウハウの交換などを行いました。

・ソフトウェア開発関連の行事に積極的に協賛・後援

 昨年度同様、他団体との連携を行い、各種行事の後援などを行いました。

4-9. 管理技術部会(部会長:金子 雅明 112名)

 51期は各WGともにオンラインでの会合で検討を進めて計画通り実施しました。管理技術部会のこれまでの各WGにおける研究成果をまとめ、2022年9月17日の全体会合で部会員に向けて発表しました。また、次年度からの管理技術部会の活動方針を決めるため、会員へのアンケート調査を行いました。各WGの活動概要は次の通りです。

・WG1:品質マネジメントの改善・発展・活用の道~中小企業の QMS モデルの研究~

 50期に引き続き、文書化した業務標準書(業務手順書・作業手順書など)の整備について研究課題として取組み、51期は業務標準書に関する捉え方、書き方及び各業種・業界で取り組み事例を含めた研究報告書をまとめました。

・WG2:持続的成功のQMSの研究(ISO9004の研究)

 目的は、従来のQMSにとらわれない、組織を持続的に成功させる仕組みとツールを開発することです。この仕組みを実現させる要件は次の3つです。要件1は顧客や社会のニーズに的確に対応すること。要件2は組織の強さを磨くこと。要件3はよい人材を育てること。
 当年度は、3年間の研究活動のまとめをすることでした。これらの要件1-3の仕組みとツールを完成させ、ISO9001:2015規格に準拠したQMSの中にこれらの仕組みとツールを取入れた研究報告書を作成しました。

・WG3:有効な審査のためのツール・技法の研究

 毎月1回、オンラインによる研究会を実施しました。「リーダーシップ」については、トップ及び中間管理職の役割の重要性を中心に議論しました。「リスクと機会」では経営戦略に関連する事項と、製品・サービス提供プロセスに関連する事項とに分けて議論しました。経営戦略に関連する事項の一つとしてSDGsの具体的事例を取り上げ、QMSとの関連性について検討しました。

・WG4: 経営に寄与するQMSの本質の研究

 TQMに関わる6つの学会規格を対象として、企業がTQMに基づくマネジメントシステムの構築、推進にとって有効で、またその改善に十分活用できるための自己評価方法を確立することを目的とします。51期は企業勤務のメンバーを中心に事業活動を構成する各プロセスに対するTQM診断の方法や取組事例について情報共有し、その実施方法や留意点について議論を行ってきました。

 

5.標準委員会(委員長:平林 良人)

(1)学会規格JSQC Std 41-001 品質管理教育の指針がJIS規格として制定されました。

 ・2022年8月20日制定
  JIS Q 9029:2022 品質マネジメント教育の指針 

(2)新しいJSQC規格を発行しました。

 ・2022年5月23日制定
  JSQC- Std 01-001 TQMの指針

(3)新しいJSQC規格の説明会を開催しました。

 ・2022年8月25日開催
  JSQC- Std 01-001 TQMの指針

(4)学会規格をJIS規格にする提案を申請し、受理されました。

 ・JIS Q 9030:20XX 新製品及び新サービス開発管理の指針

(5)新規JSQC規格の作成を継続しました。

 ・JSQC- Tr -01-001 品質不正防止の技術報告書

(6)新規JIS規格(英語版)の作成を継続しました。

 ・JIS Q 9027:2018(E) マネジメントシステムのパフォーマンス改善
  -プロセス保証の指針(英語版)

 ・JIS Q 9028:2021(E) マネジメントシステムのパフォーマンス改善
  -小集団改善活動の指針(英語版)

(7)JSQC規格の見直しをしました。

 ・JSQC Std 41-001 品質管理教育の指針は、2022年10月見直しは[継続]に決定しました。

 ・JSQC Std 41-001(E) 品質管理教育の指針(英語版)は、2022年10月見直しは[継続]に決定しました。

(8)事業委員会提案の学会規格講習会に講師を選定、派遣しました。

6.学術委員会(委員長:森田 浩)

6-1. 論文誌編集、表彰(学術)小委員会

【論文誌編集】(委員長:森田 浩)

   論文誌編集委員会では以下の活動を行いました。

(1) 8月を除き毎月1回の論文誌編集委員会を開催しました。論文誌編集委員会の責任に基づき、査読意見を参考にしながら、編集委員会が掲載の可否を判断してきました。また、「著者責任」を基本とし、新規性・価値のある主張を含む論文については掲載する方向で進めました。

(2) 北京で開催されるANQ Congress 2022にあたり、国際交流委員会の委託を受けて、以下の活動を行いました。

  1)JSQCから提出されたすべてのアブストラクト(全49本)に対する審査する審査

  2)フルペーパーに対するBest Paper Awardの審査

(3) 投稿論文審査のスピード化もめざし、Editorial Managerによる投稿を開始しました。

(4) 国際交流委員会と連携して、ANQ 発表論文を対象とした英文電子ジャーナル(Total Quality Science)の発行を行いました。第51年度はVol. 6、 No.3およびVol.7、 No.1、 No.2、 No.3を発行しました。論文数は21報でした。

(5) 第51年度は、昨年度に引き続き論文掲載料の検討をいたしました。論文掲載には相当なコストがかかるため、学会の財政状況を鑑みますと、論文掲載料の徴収は避けらない状況です。会員の理解を得つつ、引き続き検討を続けます。

(6) 学会誌編集委員会と連携して、品質誌の電子ジャーナル化(J-Stageでの発行)を検討しました。詳細につきましては、引き続き検討を続けます。

(7) 研究発表会の活性化を目的として創設された優秀発表賞制度を継続しました。

(8) 表1に過去5年間(第47年度~第51年度)の月別投稿論文数を、表2に過去5年(第46年度~第50年度)の投稿区分別採択数を示します。第51年度は審査中のものがありますので、採択数は第46年度から第50年度を示しました。一度却下されたものが再投稿される場合もありますので、単純に採択率を計算することはできませんが、おおむね4割程度が採択されています。

▼表1 過去5年間の月別論文投稿数

  10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月
第47年度 0 2 1 2 0 1 1 4 1 0 1 2 15
第48年度 3 1 2 1 1 3 1 2 2 1 1 2 20
第49年度 1 0 0 1 1 3 1 2 2 1 1 2 15
第50年度 0 1 1 2 3 3 1 0 2 0 1 1 15
第51年度 1 2 1 4 3 1 0 1 0 1 0 0 14

▼表2 第45年度~ 第49年度 の投稿区分別採択数

  第46年度 第46年度 第46年度 第46年度 第46年度 採択率
19 8 16 7 20 9 15 8 15 4 42.35%
報文 3 2 3 2 5 3 4 2 2 1 58.82%
技術ノート 1 0 3 1 2 0 3 0 2 1 18.18%
調査研究論文 2 0 1 1 2 1 0 1 4 1 44.44%
応用研究論文 6 1 5 1 4 0 0 0 2 0 11.76%
投稿論説 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0.00%
研究速報論文 1 0 0 0 0 0 0 0 0.00%
クオリティレポート 7 5 2 2 5 5 8 5 2 1 75.00%
QCサロン 0 0 1 0 2 0 0 0 1 0 0.00%
レター 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0.00%

【研究助成】(委員長:川村 大伸)

 本年度は12名の応募があり、研究助成選考内規に則り5名を選考しました。

6-2. 国際交流、学会間交流小委員会(委員長:鈴木 知道)

【国際交流】

 第51年度の国際委員会では、以下の事業を実施しました。

(1)ANQ Congress 2022への参加

 中国・北京にて、2022年10月26-27日に、ANQ(Asian Network for Quality)総会がオンライン開催となりました。JSQCからのAbstractの登録件数は、49件です。

(2)ANQの安定的発展のための調整

  ANQ理事会がオンラインで開催され、2回参加いたしました。2023-2024年度の議長国として立候補し、当選しました。財務委員会、ANQ-CEC(ANQの品質管理検定委員会)、Ishikawa Kano Award委員会に委員を派遣しています。財務委員会では、JSQCが委員長を務めております。  

(3)英文電子ジャーナルの刊行

  英文電子ジャーナル(Total Quality Science)の7年目の刊行が完了し、TQSへの投稿に対する期待もあり、ANQ総会発表件数は安定しています。

(4)海外の品質に関連する学協会とのアライアンスに関する検討

  幅広く海外の学協会と交流をもつための具体的方策について継続して検討しています。

【学会間交流】(委員長:永井 義満)

(1)FMES

 2022年3月にFMES/JABEE委員会に、参加(オンライン)し、経営工学関連学会との交流、JABEEの審査活動等の活動に、中核団体として協力してきました。

(2)横幹連合関係(委員長:椿 広計)

 2021年12月に第12回横幹連合コンファレンスが、「横幹知で拓くポストコロナ社会」をテーマに筑波大学つくばキャンパスを拠点としてオンライン開催され、JSQCの伊藤誠理事が現地実行委員長を務めました。また、コトつくりコレクションの選出に、JSQCから「タグチメソッド」の推薦が永田靖副会長(当時)の講演で行われ、審査の結果コトつくりコレクションに採択されました。また、JSQC鈴木和幸元会長が企画した「COVIE-19感染の再発防止・未然防止へ向けて」と伊藤誠理事が企画した「移動体の自動運転・自動操縦の安全評価」が企画セッションとして行われました。2022年度横幹連合の常置委員会体制として、椿広計元JSQC会長が、引き続き、企画・事業委員会委員長を務めると共に、伊藤誠理事が会誌編集委員会委員長として機関誌「横幹」の編集責任者となりました。なお、横幹連合では、学会をまたがる調査研究会活動として、SDGs、 ELSI、 DXの3研究会が活動を開始しており、会員学会からの積極的参加を呼び掛けています。

7.安全・安心社会技術連携特別委員会(委員長:伊藤 誠)

 日本原子力学会(ヒューマンマシンシステム研究部会/社会・環境部会)等との共催の「安全・安心のための管理技術と社会環境」ワークショップを、2022年5月に実施しました。また、自動車事故対策機構等の審議についても引き続き参加・協力しています。特にISO39001の普及をめざした活動、ならびにISO39003の企画開発にかかる活動を行いました。

8.TQE(問題解決力向上の為の初等中等統計教育)特別委員会(委員長:鈴木 和幸)

 新たな学習指導要領の鍵となる“次世代への数学教育”、“情報・ICT・AI世代への教育”、“産官学の連携”にむけて、オンラインによる活発な議論を継続し、種々のシンポジウム・ワークショップ等にて情報発信を行い、生徒・子供たち自らが主体性を持って行動し、人に優しく、社会に貢献し、人間的成長を図るべく、本委員会として下記の活動を行いました。

(1)これまでの日本の品質管理界が培ってきた主体的・協働的な科学的問題解決の知を結集し、問題解決プロセスの確立とともに、新たな学習指導要領の定着に向けて、議論を継続し委員メンバーが組織的にかつ自発的に以下の企画・講演への全面的な寄与・協力を通して情報発信を行いました:

  1. 2021年 9月10日~12月17日(6回開催):全国高等学校データサイエンス教員研修会2021「データサイエンティストへの道」(兵庫県立姫路西高等学校)の企画・講演への全面的な寄与・協力
  2. 2022年2月11-12日:理数系教育統計・DS授業力向上研修集会(愛媛)「AI/デジタル社会を担う人材育成と教育体系~新課程における統計・データサイエンス教育の円滑実施と高大社接続・産学連携授業~」(統計数理研究所)の企画・講演への全面的な寄与・協力
  3. 2022年3月27日:“Data Science for Quality”産官学連携シンポジウム(統計数理研究所)の企画・講演・パネルディスカッションへの全面的な寄与・協力
  4. 2022年3月18-19日:第19回統計教育の方法論WS・理数系教員授業力向上研修会(東京)「初中等および高等教育における ICT 活用した次世代型データサイエンス教育の展望」(日本統計学会統計教育分科会)の企画・講演への全面的な寄与・協力
  5. 2022年9月3日『新学習指導要領とSTEAM教育が創り出す「社会に活かす統計の考え方」』(統計数理研究所)の企画・講演への全面的な寄与・協力
  6. 2022年 9月9日『第12回神奈川県品質管理県民大会』(神奈川県)の企画・講演への全面的な寄与・協力

(2)前年度に引き続き、日本のみが持つ強みであるTQMの伝統とQCCを活かすべく、TQMに関するシンポジウムの講演、QCC大会のGood Practicesを産学が共有しうる仕組みの構築に向けての動画公開を下記のように行いました:

  1. 教員並びにTQM未導入への組織への問題解決の手本とすべく第14回JHS全日本選抜QCC大会(2021年6月)におけるトヨタ自動車 (株)北海道士別試験場保安警備サークルの発表の動画を下記のURLにて公開しました:https://qc-circle。jp/knowledge/470/
    なお、本公開には二橋JSQC前会長と日科技連のご援助に負うところが大きくここに深謝申し上げます。
  2. 第111回品質管理シンポジウム(2021年6月)の4講演を日科技連HP内の社会価値貢献特設サイト(https://www。juse。jp/kouken/qcs_movies/)にて教育関係者への提供と、広報に努めました。

(3)二橋前会長を迎えてのTQE活動の加速について

 2021年10月2日、二橋JSQC前会長をお招きしTQE活動の加速を図りました。2010年頃に、トヨタ自動車は社会貢献の一環として、高等学校の2校にて環境問題に取り組む学校活動を支援しQCC活動の進め方、考え方を示しました。二橋前会長は、チームワークの大切さや成果に“感動”、“腹落ち”する体験が若いときに大事で、大人になってからは難しいなど、初等中等における問題解決教育の重要性を強調されるなどの学びを得ました。

(4)40年度に設立された統計グラフ全国コンクールにおける日本品質管理学会賞の周知・徹底を図り、その質の向上に努め第69回統計グラフ全国コンクールにおいて日本品質管理学会賞授賞を行いました(2021年11月)。

過去の事業報告