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JSQCニューズ 2015年12月 No.345

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■トピックス:アンケートの集計結果
■私の提言:長期的な視野で引き続き着実な活動を
・PDF版はこちらをクリックしてください →news345.pdf

トピックス
アンケートの集計結果

第44年度広報委員会委員長 兼子 毅

回答者のプロフィール
 回答総数は251名でした。40歳代、50歳代で65%を占め、いわゆる若手の比率が1割に満たないのが大変気になります。

 研究者やエキスパートに関する情報については「情報、動向、専門分野」に期待する回答が半数を超えました。今後、個人会員の力量評価などと合わせて充実していく必要があります。

 学習や教育に関する情報については、すぐに利用可能な情報に関するニーズが高いことがわかりました。すでに品質管理の専門能力習得に活用できる書籍・セミナーなどの整理をホームページ上で公開していますが、品質保証ガイドブックや品質管理検定、JSQC規格などと有機的に結びつけていく必要があります。

 困った時には、誰かに相談するよりも、まず自分で調べてみるという人が多いようです。こういう時にはどうすれば良い、という「逆引き」ができる解説が望まれています。

 他社の動向については、事例、研究、見学いずれも高いニーズがあります。学会という場を使って、産産交流をより活発にしていくことが望まれています。

 品質や品質管理を考え直したい時の読み物として、半数以上の方がプロセス改善やマネジメントシステムと品質の関わりを期待しています。気づきに繋がる読み物に関しても高いニーズがあることがわかりました。

 品質管理関連団体の情報としては、やはり本学会の各種情報が望まれています。電子図書館からの論文ダウンロードなど、学会会員向けのサービスは多数ありますが、まだまだ知らない会員も多いようです。

 最後の自由記述では、おおよそ4人に一人の回答者がかなり長文のご意見をお寄せいただきました。ここで一つ一つをご紹介できませんが、理事会にて共有し、今後の活動に役立てていきたいと思います。
 すでに学会Webページで提供されている情報もわかりにくい、探しにくいというご指摘をいただきました。順次リニューアルを進めるとともに、関連委員会などとも調整し、会員にとって有用な情報提供を図るべく充実していきます。回答をお寄せいただいた皆さん、お忙しいところご協力いただきありがとうございました。


私の提言
長期的な視野で引き続き着実な活動を

 
横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授 小川 慎一

 わたしは、文系の学問分野である社会学の観点から、日本の品質管理活動の研究をしてきました。社会学はその名のとおり、社会現象の変化や不変を把握し、それらの要因や影響を分析することを目的とする学問です。品質管理活動が日本でどう受容されたのか、なぜ小集団改善活動が日本で誕生し普及したのか、その後の小集団改善活動がどう変化したのかが、具体的な研究対象です。
 早くも1930年代に日本で知る者がいた統計的品質管理は、ごく少数の人々によって研究される戦時期を経て、戦後の49年になってようやく、企業人を対象とする本格的な講習会が開設されました。ここまでで20年近くかかっています。デミング賞の創設(50年)や全社的品質管理の概念の登場(50年代後半)を経て、QCサークル本部が創設されるのが62年です。専門家対象の品質管理教育から、現場の従業員も参加する小集団改善活動が登場するまでに、13年が経過しています。本学会の設立(71年)を経て、有名なテレビ番組“If Japan Can…Why Can’t We?”がアメリカのNBCで放送されたのが80年ですので、本格的に普及啓発が開始されて31年で、日本の品質管理が海外で認識されたことになります。
 ところが、79年から急激に増加した日本のQCサークルの新規登録数は、84年度を最大値として89年度以降は減少傾向に転じました。日本の品質管理は高評価を受けてから10年足らずで低調期に入ったようにも見えますし、あるいは80年代は国内外を問わず、単に「日本的」品質管理のブームだったともいえそうです。
 90年代や2000年代以降の企業経営をとりまく困難な状況下でも、この四半世紀のあいだ、産業構造の変化や情報技術革新の進展に応じて、小集団改善活動の普及啓発にたゆみない努力と工夫が続けられてきたことを、『QCサークル』誌の記事や関係者の方々から教わりました。少子高齢化にともなう産業構造や消費者行動、就業構造の変化を長期的に見据えつつ、今後も引き続き、着実な品質管理活動が日本で展開されることを期待します。


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