関西支部の創立は1990年、第43年度が24年目となる。近畿地方の2府4県(大阪,京都,兵庫,奈良,滋賀,和歌山)を対象に、地域の特徴に合わせた事業を企画・展開している。
なお、各種行事への参加は本部や支部の区別なく参加できる。より多くの方にご参加いただくため、関西支部では昨年度から、メールニュースとして行事案内を中国、四国、九州地区の会員の方々へも送信している。
今日、日本企業が世界経済の中で勝ち残っていくためには多くの課題が存する。そのような中、品質管理の役割は、日本の産業を支えてきた「ものづくり」「ことづくり」の基盤をより堅固で革新的なものにしていく上で、従来にも増して大きくなっている。
関西支部ではこのような考えに立ち、品質管理のレベル向上に期するため、品質力、組織・マネジメント力、現場力、顧客対応力の向上策を提言するさまざまな事業活動を行っている。以下、事業内容について、42年度の実績および43年度の計画を紹介する。
a)研究会:会員の研鑽、質的向上を図るため、現在、3つの研究会が概ね1ヶ月に1回のペースで活動を行っている。(1)新たなSQCの開発・実践を行うこと、誤用を防ぐために既存SQCの再検討を行うことを通してSQC活動の活性化をめざす「統計的品質情報解析研究会」、(2)マネジメントの課題を階層的に取り上げ、数々のQC技術をベースに科学的な先手管理、源流管理へのアプローチの体系化を目指す「科学的先手管理アプローチ研究会」、C企業のみならず学校でも使える、品質管理ひいてはものづくりに興味を持ち理解を助けるための教材やマニュアル作成をめざす「品質管理教育教材開発研究会」。
b)研究発表会:会員の品質管理のレベル向上のため、広く産学の研究成果を発表する場を設けている。数年前に体制を見直し、次のような活性化策を講じた。研究セッションに加え事例セッションを設け、優れた発表に優秀発表賞を授与するようにした。さらに、従来にないテーマでの特別講演を企画している。本年度もこの形式で、例年と同じく7月に発表申込を募り、9月に開催を予定している。
c)シンポジウム:企業の品質管理活動、大学の研究活動に寄与するため、会員の相互研鑽に資する場として、年に1回、シンポジウムを行っている。今、最も要求されている、活発な議論のできるテーマを選定している。
42年度は「ビジネス、ヒット事業の作り方」をテーマとしたが、本年度は7月に「東レの先端素材開発とグローバルものづくり」「日産自動車における未然防止手法“Quick DR”」の講演の後、「設計開発の質向上〜固有技術の展開・未然防止の進め方〜」のテーマでのパネルディスカッションを行う予定である。
d)講演会:品質管理に関する有益な内容を会員に提供し、「ものづくり」「ことづくり」の発展に寄与する場として、年に1回、講演会を行っている。42年度のテーマは「世界にはばたく日本型新商品開発と技術開発の実践例」(ダイキン工業梶A椛コ田製作所の事例紹介)であったが、今年度は6月に「グローバル市場での人材育成と品質保証実践例」と題し、シャープ鰍ィよび本田技研工業鰍フ事例を講演いただく。
e)事業所見学会:年2回、特色のある事業所の見学を行っている。42年度は災害報道の品質(NHK大阪放送局)、ダイヘンならではのものづくり(潟_イヘン六甲事業所)について見聞を広めたが、43年度は3月にNITE製品安全センター、6月に樺ヨ本チエインでの見学会を行い、製品安全管理やモノづくり力についての知見を深める。
f)QCサロン:講演者とざっくばらんに質疑応答ができるサロン形式の小講演会を年に5回、偶数月に行っている(12月は休会)。内容は講演者にお任せするが、「人材」や「グローバル」に繋がるテーマでのお話をお願いしている。
以上が、関西支部の活動概要である。なお、関西支部では支部活動に関する各種データの収集・管理・解析をもとに支部活動の現状把握、さらなる品質管理活動の活性化を期している。今後の行事をぜひご期待いただきたい。