JISマーク表示制度は、昭和24年の工業標準化法制定以来、60年以上の歴史をもち、我が国の鉱工業製品の品質向上に多大な貢献を果たしてきました。国の規制改革等に伴う民間活力の一層の活用とグローバル化の進展に伴う適合性評価制度の国際整合化といった観点から、JISマークのデザインを含む抜本的な制度改正が行われ、平成17年10月1日よりJISマーク表示制度が生まれ変わり、3年の旧JISマーク表示制度の経過措置が終了して5年が経過しました。現行JISマーク表示制度も総認証件数が9000件弱の安定した水準で推移しており(図1参照)、国内外で幅広く活用されています。今後ともJISマーク制度を我が国の製品認証制度の重要な柱として維持、発展させていくためにはその信頼性確保と普及が重要です。
信頼性確保のためには、JISマーク認証事業者自身の品質管理体制の維持・向上への取り組みはもちろんですが、これを認証する登録認証機関の審査業務等が適確・厳密に実施され表示違反等が生じないよう管理・監督することが大切です(図2参照)。
普及面については、主に事業者を対象としてJISマーク制度のあらましや制度運営の現状を理解していただくため全国11箇所でセミナーを開催し、また、一般の方を対象に子ども霞が関見学デーでJISマークの紹介をしています。さらに、国の調達基準へのJISマーク活用を促進する観点からグリーン購入法の調達基準へのJIS活用を精力的に働きかけるなどの取り組みを実施しているところです(JISを活用している品目は全267品目中76品目(活用率28%)、公共工事分野での活用率は相対的に高い(36%)。図3参照)。今後は、最新のJIS整備状況を踏まえつつ調達基準へのJIS活用の可能性を検証し、JISの活用が適当と判断された場合には、具体的な基準改定案を作成して提案を行うなど引き続き取り組みたいと考えています。
基準認証政策全体の動きについては、我が国産業競争力強化の観点から、我が国製造業に強みがある高機能材料や製品などの分野で、高機能化JISの整備に向けて取り組みが進められているところです。今後、建築免震用積層ゴム、コンクリート混合用高機能繊維などの各種高機能材料、高品質LED照明などが検討され整備される予定です。JISマーク制度についても、こうした新たなJIS整備の成果が適確に市場で展開されるようユーザーにわかりやすく伝える表示方法などの検討も含め制度運営に努めてまいりたいと考えています。
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図1 認証契約件数の推移 |
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図3.グリーン購入法特定調達基準におけるJISの活用状況 |
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図2 制度の信頼性の確保の仕組み |
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